2019 Fiscal Year Annual Research Report
アリストテレス倫理学の再定位を通した新たな自然主義的倫理学の構想
Project/Area Number |
17H02257
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 智彦 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (30422380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茶谷 直人 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (00379330)
岩田 圭一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00386509)
高橋 祥吾 徳山工業高等専門学校, 一般科目, 准教授 (10758337)
立花 幸司 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30707336)
相澤 康隆 三重大学, 人文学部, 准教授 (40647129)
佐良土 茂樹 日本体育大学, 総合スポーツ科学研究センター, 研究員 (40711586)
稲村 一隆 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40726965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 倫理学 / 哲学史 / 西洋古典 / アリストテレス / 自然主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクト三年目となる2019年度は、昨年度までと同じくメンバーが各自の研究を進めるとともに、特に国内外での研究成果の発信に力を入れた。まず5月19日に日本哲学会第78回大会(首都大学東京)で、公募ワークショップ「政治的な事柄を〈いま〉哲学するということ:アリストテレス『政治学』を再読する意義の検討を手がかりとして」(オーガナイザー・立花)を行った。本研究メンバーの相澤・稲村に福間聡・玉手慎太郎の両氏を加えた四名の提題を受けて、アリストテレス哲学の現代的意義と時代的制約などをめぐって刺激的な意見交換がなされた。7月7日にはFIEC/CA 2019(ロンドン)で、本研究メンバーの立花・岩田および研究協力者の文景楠・北郷彩によるパネル発表‘Rethinking Nature and Naturalism in Aristotle’s Ethics’が行われ、アリストテレス倫理学における自然概念と自然主義の問題をめぐって多岐に亘る議論が交わされた。その他、本研究に関連する企画として、同じFIEC/CA 2019で7月6日に近藤をオーガナイザーとしてパネル発表が、その準備として5月25日にワークショップ「日本における西洋古典受容」(慶應義塾大学)が、また5月26日には研究協力者の川本愛による研究書の書評会(早稲田大学、本研究メンバーの近藤・稲村のほか安田将・兼利琢也の各氏の協力を得た)が、2月20日には古代哲学ワークショップ(ユトレヒト大学)がそれぞれ開かれた。各自の研究も順調に進められており、2019年度中に発表された主な成果としては、高橋、松浦、研究協力者の文景楠らによる研究論文、茶谷によるアリストテレス研究書、近藤、佐良土による分担執筆論文、および書評会ノートなどがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内学会でのワークショップ、国際学会でのパネル発表など、本プロジェクトの三年目に計画されていた主な企画はいずれも有意義に終えることができた。各自の研究も着実に進められており、具体的成果として順次発表されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では最終年度の2020年度に国外から研究者を招聘して総括シンポジウムを開催する予定であったが、研究代表者のサバティカル研修などの事情を考慮した結果、国内で行う総括研究会と国外で行う国際ワークショップに分けて開催することになった。ただし、新型コロナウイルスの影響によりスケジュールが大幅に変更される可能性がある。
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Research Products
(26 results)