2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02259
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野家 啓一 東北大学, 文学研究科, 名誉教授 (40103220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 理 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00344630)
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
上原 麻有子 京都大学, 文学研究科, 教授 (40465373)
村山 達也 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50596161)
阿部 恒之 東北大学, 文学研究科, 教授 (60419223)
原 塑 東北大学, 文学研究科, 准教授 (70463891)
城戸 淳 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90323948)
坂井 信之 東北大学, 文学研究科, 教授 (90369728)
FONGARO ENRICO 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90457119)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 感情 / 共同体 / 哲学 / 心理学 / 情念 / 日本哲学 / 倫理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、現代社会において人がいかに共同体を形成し、よき共同的な生を実現しうるかについて、哲学的な構想を示すことを目的とする。そのために、諸個人が表出する感情の果たす媒介的な役割に着目することによって、望ましい共同体のあり方を解明する。あわせて、感情と共同体の形成に関する日本固有の事情を析出し、国際的な観点から検討する。それゆえ本研究は、(A)感情の本性を哲学や心理学の観点から規定し、(B)各人のよき生の基盤となる共同体の構想を感情の切り口から解明したうえで、(C)これら二点の知見を国際的な比較研究によって検証するものである。 初年度となる平成29年度は、おもに資料収集や研究の基盤形成につとめた。研究代表者からの問題提起を軸にして、各グループの研究の方向を見定め、心理学研究のためのデータの収集や哲学・思想分野の文献資料等の収集に努めるとともに、研究会・ワークショップを通じて共同の研究基盤を確立することに尽力した。具体的には、A班とB班については、「感情と認識:20 世紀前半のフランス哲学の観点から」、「Social Forms of Self-Conscious Emotions」、「トマス・アクィナスの感情論」、「裁判員裁判と感情:社会学・社会心理学・哲学からの検討」などをテーマとするシンポジウム・研究会等を主催・後援して、新たな研究動向の学習と共有をはかり、次年度以降の研究の基盤形成に努めた。C班については、ユトレヒト大学におけるワークショップ「Feelings and emotions in philosophy」において、研究分担者3名が発表するなど、今後の国際共同研究に好発進を切った。 次年度以降、よき生を可能とする感情と共同性をめぐって、日本心理学会や東北哲学会などの学会シンポジウムを含め、さまざまな機会で研究成果を発信する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は資料収集や研究会等の開催などに尽力したが、おおよそ予定どおり研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、すでに得られた感情の哲学的な知見を踏まえて、それと心理学の理論との整合性を検証しつつ、現代的な感情の理論へと昇華することを試みる。前年度までの共同体の理論を基礎として、現代日本における共同体の哲学的なモデル化に着手する。感情と共同性をめぐる国際的な比較検討を通じて、最終年度への研究課題を見定める。 数回の研究会(国際共同研究会を含む)を通じて研究チームの情報共有に努めるほか、心理学データの解析、日本心理学会のシンポジウム発表、東北哲学会でのシンポジウムとワークショップ等々、平成30年度には多角的に研究成果を世に問う予定である。
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Research Products
(23 results)