2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02321
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
逸見 竜生 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (60251782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵田 仁 城西大学, 現代政策学部, 助教 (00770554)
井田 尚 青山学院大学, 文学部, 教授 (10339517)
川村 文重 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (40759867)
小嶋 竜寿 慶應義塾大学, 文学部(三田), 講師(非常勤) (50704269)
隠岐 さや香 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60536879)
小関 武史 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (70313450)
飯田 賢穂 青山学院大学, 文学部, 客員研究員 (90806663)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 百科全書 / 18世紀フランス / 啓蒙思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献研究の蓄積によって、初期近代典籍資料への『百科全書』本文の依存関係はしだいに明らかになりつつあるが、『百科全書』本文の文献批判は多くがなお未解明である。本研究は、18世紀啓蒙期社会思想史、科学史、人文学研究者が協力しあい、欧米・韓国の研究者の協力もえて、『百科全書』編集史のわが国における初の包括的な文献学的解明を目指すものである。本年度も引き続き(1)典拠批判により本文資料層の〈生成〉を包括的に分析するとともに、(2)識別が可能となった異なる資料層の断片の、テクストにおける編集的な取り扱い方(〈転位〉)を多面的に追究し、3)その編集作業の背後にある『百科全書』編集意図とその史的状況との関連を総合的に明らかにした。 2019年度は、典拠研究をさらに進め、『百科全書』本文の新たな文献批判を行った。その成果は2019年7月の国際18世紀学会(エジンバラ大学)において、国際シンポジウムにおいて発表した。また12月には日本18世紀学会研究会にて本研究の成果を発表している。2020年2月に、リヨン高等師範学校古典思想研究所からフランソワ・ペパン、およびピエール・ジラール両教授を招致し、国際研究セミナーを開催して百科全書本文及び関連啓蒙思想に関する合同協議会を東京で開催した(日仏若手啓蒙思想研究共同セミナー)。さらに同月ソウルにて韓国研究者8名をこれに加えて日韓仏での「百科全書・啓蒙思想研究」シンポジウムを開催して編集史研究を多角的な観点から推進した(Colloque international : Les Lumieres dans leurs contextes, 20-21 fevrier 2020, Universite Nationale de Seoul)。また、典拠情報索引目録のためのオンライン・データベースを構築している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度の終わりにコロナ禍が生じ、3月に予定した海外調査等がいっさい中止を余儀なくされている。北米からはカナダのミシア・リウ=ボーヌ准教授(18 世紀科学思想史、オタワ大学)、また米国のウリンダ・モストフェ教授(18 世紀政治思想史・文学、ボストン大学)にも最終シンポジウムへの協力を要請し、受諾されており、デジタル人文学の研究蓄積がめざまししい北米における『百科全書』・啓蒙期著作本文批判研究の最新の知見に立った研究協力を仰ぐ予定であったが、この点に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
文献研究、国際会議、定例研究会を続けつつ、主な研究の重点は、研究目的のとおり「典拠資料の収集とデータ統合」、「編集史的転位の学際的解明」(「人文知と自然哲学における学際的編集」「政治・道徳・文化を横断する編集知」「初期近代における科学と社会圏域の編集史的読解」)「実践的総合解明」の総合を図る。コロナ禍において同計画を適宜軌道修正する必要があり、海外研究者とも日常的にメール・オンラインで相談しつつ、柔軟に対応していく。
|
Research Products
(6 results)