2018 Fiscal Year Annual Research Report
Narrative informatic studies of the story of Sindbad the sailor: the emergence and formation of literary function to co-create a pluralistic and multi-valued society
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17H02330
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
西尾 哲夫 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (90221473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10177230)
岡本 尚子 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 外来研究員 (90600817)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 外国文学 / アラブ文学 / 比較文学 / 中東 / イスラーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではシンドバード航海記の成立過程に関する以下の研究項目を実施した。 1 写本の収集とその分類にかかる項目として、英国図書館所蔵写本を分析対象として書誌的データベースを作成し、あわせて当該写本の熟覧調査ならびに関連エピソードを含む物語写本の情報収集をし、アラビアンナイト所収のシンドバード航海記に関する書誌的データベースを作成した。 2 写本の校訂にかかる項目として、アレッポ・シリア正教会とトルコ・マルディン教会所蔵ガルシューニー写本の校訂を実施した。ペティス・ドラクロワ訳仏文写本の校訂のための補助作業として、著者のペティス・ドラクロワの著作物に関する錯綜した状況を整理し、その成果をフランス語論文として刊行した。 3 物語構造とその相関関係の分析にかかる項目として、ガラン版シンドバード航海記ならびにカルカッタ第二版等のいわゆる標準エジプト系伝承の物語構造との比較を行うために物語情報の整理を引き続きおこなった。 4 原テキストの復元にかかる項目として、校訂したアレッポ・シリア正教会所蔵ガルシューニー写本の分析を行なうとともに、とくに第7航海の物語の異同を分析するための物語構造にかかる情報整理をおこない、その成果を発表した。 5 研究成果をめぐる研究者との共有化の推進とその国際発信に関して特筆すべきこととして、平成31年2月に国際シンポジウムを開催し、国際シンポジウム「Polyphonie en littérature arabo-berbère de langue française(フランス語によるアラブ=ベルベル文学における多声/多言語性(ポリフォニー)」では、研究者だけでなくアラブ世界でフランス語による著作活動をしている作家を招聘し、グローバルな文学空間における個人の表象と多言語性をテーマにする問題提起となる発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたキリスト教徒によるシンドバード航海記写本の校訂作業ならびにそれに基づく物語構造分析は順調に進んでおり、とくにシンドバード航海記成立過程におけるキリスト教徒による伝承を分析することで新たな仮説を提示することができた。また多元的価値共創文学という概念に関して国際シンポジウムを開催し、日本・ヨーロッパ・中東で活動するフランス文学研究者とアラブ文学研究者が、アラブ世界におけるフランス語文学というテーマで議論を交わす場となることで画期的なものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
計画調書に記載した通りに、キリスト教徒の伝承になるシンドバード航海記に関する他の重要な写本の校訂作業を持続するとともに、物語構造の分析だけでなく、物語中に記述された地理情報や民族誌情報に関する分析も継続させることで、ムスリムによる伝承との異同を明らかにし、シンドバード航海記の成立過程に関する仮説を提示する。
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Research Products
(13 results)