2017 Fiscal Year Annual Research Report
『瀬戸内海言語図巻』の追跡調査による音声言語地図の作成と言語変容の研究
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17H02340
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
友定 賢治 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 名誉教授 (80101632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 敬一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (10305401)
大西 拓一郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30213797)
灰谷 謙二 尾道市立大学, 芸術文化学部, 教授 (60279065)
小西 いずみ 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60315736)
又吉 里美 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (60513364)
小川 俊輔 県立広島大学, 人間文化学部, 准教授 (70509158)
重野 裕美 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (70621605)
岩城 裕之 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (80390441)
有元 光彦 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (90232074)
岸江 信介 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (90271460)
中東 靖恵 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (90314658)
森 勇太 関西大学, 文学部, 准教授 (90709073)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 瀬戸内海言語図巻 / 経年変化 / 音声言語地図 / 言語形成期以後の言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究開始の年で、言語地図作成のための調査を進めることであった。そのため、6月に最初のミーティングを広島で開催し、フィールドである瀬戸内海域についての研究発表と調査項目・調査法の検討を行った。 その後、8月にかけて、各メンバーが1地点ずつパイロット調査を行い、さらに問題点を議論し、調査の質向上とメンバーの意識統一を行った。質問文のあいまいな点、話者の条件、音声地図項目の再検討などが話題となった。 9月からは、各メンバーが担当地域で踏査をすすめてきた。ただ、瀬戸内島嶼部の激しい人口減のため、予定していた地点に該当者がいないことも多く、いろいろな機関に依頼した話者紹介も思い通りにはおかないこともあり、目標査地点の60地点には届かず、46地点であった。ただ、LAS少年層話者に18名調査ができたので、個人の言語形成期以後の言語習得という目的にあうデータは予定どおりに集められた。そのため、30年7月にリトアニアで開催される世界方言学者会議で口頭発表することになった。音声地図項目のデータ収録もほぼ全調査地点でできた。 年度末に二度目のミーティングを開催し、研究発表2件と、次年度に向けての協議を行った。ここでは、データ入力の仕方や、次年度の調査計画が話し合われた。 開始年度であり調査が目標の年だったので、論文にはできていないが、ミーティングでの口頭研究発表は4件あり、上記のように、30年度7月末にリトアニアで開催される世界方言学者会議での発表が採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本科研は、最初の3年間で300地点を調査する予定であり、科研開始年度である平成29年度は、調査開始が遅れることなどから60地点を目標としていたが、最終的には46地点で調査が完了した。 理由としては、①調査開始が7月になったこと、②人口減が激しく、調査予定地点に条件に合致する話者がいなかったこと、③教育委員会など、話者紹介を依頼した機関から、の紹介が、こちらの思い通りにはいかなかったこと、④予備調査の後の調査項目等の検討に時間がかかったことなどがある。 ただ、『瀬戸内海言語図巻』の少年層話者だった方には15人調査で来ており、この人数は予想よりも多い数であり、言語形成期以後の言語習得の考察は計画通り進められそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度と31年度は、調査に全力投入し、目標とする300地点になるべく近づくよう努力する。29年度末のミーティングで、全調査予定地点と担当者を決めたので、目標を達成したい。 話者探しについても、29年度の経験から、教育委員会や漁協などの機関に依頼するのを主とするが、島の方たちのネットワークによって、近隣の島の話者が得られることが分かった。この方法でスムーズに話者探しがすすめば、目標の地点数に近づけると思われる。 調査データの入力も今年度からメンバー各自が行うことにし、32年度、33年度での主たる作業である地図製作にスムーズに入れるようにする。 音声言語地図作成のための音声の切り出しも、調査後一か月を目途に各自が行うことにしたので、やはり32年度からの地図作成作業にスムーズに入れる。
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Research Products
(1 results)