2020 Fiscal Year Annual Research Report
中世の書簡体文書による統治実践と秩序形成をめぐる日欧比較研究
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17H02377
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高橋 一樹 明治大学, 文学部, 専任教授 (80300680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 雅史 法政大学, 文学部, 教授 (00177198)
千葉 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20345242)
坂上 康俊 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30162275)
岡崎 敦 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (40194336)
加納 修 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90376517)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 書簡体文書 / 中世 / 比較 / コミュニケーション / 地方領邦君主 / 書簡集 / 書簡作成術 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年目となる2020年度は、海外等での史料調査や対面方式による研究会、総括シンポジウムの開催が困難となり、書簡体文書を含む中世ヨーロッパの地方領邦君主文書と日本中世の武家文書との比較検討を行う全体研究会および招聘研究会(翌年に延期した国際シンポジウムの準備を兼ねる)を2021年2月に実施した。 全体研究会では、中世武家文書の類型化をめぐる研究史をふまえ、書状の証書化を軸とした研究動向とその課題を研究代表者が報告するとともに、中世のフランス北部およびベルギー西部における世俗領主の文書実践に関する招聘研究者の研究業績を研究分担者から詳しく紹介・解説してもらい、相互理解を深めて比較の論点を掘り下げる質疑を行った。 オンライン方式による招聘研究会では、ジャン-フランソワ・ニウス教授(ベルギー・ナミュール大学)の報告をもとに、中世の日欧間で書簡体文書の作成と使用が繁茂する状況の歴史的背景とその異同について議論を重ねた。 新型コロナウイルス感染拡大にともない、経費の一部を繰り越した結果、2023年2月に再びニウス教授を招いた全体研究会を開催した。研究代表者による日本中世の武家文書の段階的把握から15・16世紀(戦国期)の大名アーカイブの特徴を抽出する報告と、ニウス教授から中世フランドルの地方領邦君主の書簡体文書を中心とした報告を得て、中世日欧の書簡が帯びる同時代的な形態的特徴などについて活発な議論を行った。この研究会を前後して、ニウス教授らとともに東京大学史料編纂所および神奈川県立金沢文庫を訪れ、書簡体文書を含む日本中世の文書原本を熟覧しながら意見交換を続けた。とくに金沢文庫では、称名寺聖教紙背文書に含まれる13~14世紀の武家書状をはじめ、中世寺院における書札礼などを読みつつ、日欧中世の書簡の伝来形態や書簡作成術にかかわる史料について、具体例に即した重要な論点を見出すことができた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)