2018 Fiscal Year Annual Research Report
Trafic, Trade and Transactions in Ancient and Medieval Central Eurasia
Project/Area Number |
17H02401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松井 太 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10333709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 崇敏 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00566656)
岩尾 一史 龍谷大学, 文学部, 准教授 (90566655)
荻原 裕敏 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (60762135)
橘堂 晃一 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00598295)
齊藤 茂雄 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 日本学術振興会特別研究員 (70634690)
佐藤 貴保 盛岡大学, 文学部, 准教授 (40403026)
西村 陽子 東洋大学, 文学部, 准教授 (70455195)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中央ユーラシア / 交通 / 交流 / 交易 / 敦煌 / トゥルファン / チベット |
Outline of Annual Research Achievements |
メンバー各自の研究関心から課題についての検討を進めた。 松井・岩尾・佐藤および研究協力者の坂尻彰宏・慶昭蓉は,敦煌・カラホト・トゥルファンを中心とする中央ユーラシア東部地域出土の公文書(行政文書)資料に関する研究論文を刊行し,漢語・トカラ語・コータン語・チベット語・西夏語・ウイグル語など多言語にまたがる出土行政文書とそれに基づく行政システムを通時的・地域横断的に比較検討するための基礎を提供した。 その他,個々のメンバーの分担内容に応じた活動実績は以下の通り。松井は敦煌石窟の古ウイグル語題記銘文に基づく巡礼圏の微視的分析,ウイグル仏教の基盤としての漢人仏教・トカラ仏教の関係を検討した。また,15世紀のティムール朝のペルシア語文献を利用し,13~15世紀の「モンゴル命令文」の淵源を10~12世紀のウイグル語書簡文化に見出せることを論証した。赤木は漢文題記や供養人像をもとに敦煌石窟のプランを分析し,10世紀敦煌における造窟活動の展開・編年を復元した。岩尾は本課題に関係する論考を3本出版し,また大英図書館のワークショップにて研究発表を行った。荻原はロシア・ドイツ所蔵のトカラ語典籍と世俗文献を分析した。橘堂はウイグルと西夏・宋との仏教文化交流の実態を,ウイグル語仏典とトゥルファン・カラホト出土の図像資料をもとに明らかにした。斎藤は中国内蒙古自治区の陰山山脈南麓において,遊牧民に関係する遺跡を調査した。佐藤は西夏語の官文書にみえる宋制からの影響や,西夏北部・西部の辺境地帯における文化交流等の諸状況を解明した。西村は中央~東部ユーラシアの交流・政治に関する既発表の論考をまとめた単著を刊行すると共に,黄文弼作成のシルクロード地図を解析した。 その他,研究協力者の坂尻・慶をそれぞれ中国・ヨーロッパで開催された国際学会に派遣した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「古代・中世中央ユーラシア世界の交通・交易・交流」という研究課題に即して,上記の通り,メンバー各自の研究関心から検討が進められていると見受けられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29~30年度には仏教徒の活動を中心とした文化交流や交通に関する成果を蓄積しているので,それらを「交易」と有機的に関連させることに注力していく予定である。
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Research Products
(39 results)