2020 Fiscal Year Annual Research Report
木簡の年輪年代学:同一材推定による再釈読と荷札木簡を用いた地域標準年輪曲線の構築
Project/Area Number |
17H02424
|
Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
星野 安治 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (50644481)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
桑田 訓也 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50568764)
山本 祥隆 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50610804)
浦 蓉子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (80746553)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 年輪年代学 / 木簡 / 同一材 / 産地推定 / 年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,平城宮・京跡出土木簡を対象とした年輪年代学的な同一材推定,及び荷札木簡を用いた地域標準年輪曲線を構築することにより,木簡から考古資料としての新たな価値を引き出し,考古学・古代史学・年輪年代学が融合した研究を推進する。より具体的な目的は,次の2点に絞られる。1)年輪年代学的な同一材推定により,木簡やその削屑の同一材関係や,刻まれる年輪の新旧関係を明らかにする。そして新たに接合に成功した木簡について釈読を再検討するとともに,木簡の加工技術・製作過程を復元する。2)全国から平城宮・京に集まる荷札木簡について,記載地名ごとに年輪曲線を整理し,地域標準年輪曲線を作成する。そして年輪変動の地域特異性を明らかにすることで地域区分し,古代における年輪年代学的な産地推定を行う基盤を構築する。 研究最終年度となる2020年度は,これまでに引き続く年輪画像撮影・年輪計測,及び同一材推定の分析に加えて,同一材推定の成果を踏まえた木簡釈読の再検討と,研究期間を通してのまとめを中心に進めた。平城宮第一次大極殿院跡出土の削屑木簡の検討では,200点余りについて検討を進め,年輪数が多く刻まれる柾目材のものに同一材関係のものを多数見出すことができた。一連の削屑木簡については,1点1点は数十層の年輪しか刻まれていないものの,同一材推定をもとにして100層を超える削屑木簡由来の年輪曲線が構築され,標準年輪曲線とのクロスデーティングに成功した。このことは,木簡のような年輪数の少ない試料を対象とした年輪年代調査においても,年代測定や産地推定に応用する可能性があるということを実証的に示したこととなる。また,本科研研究課題における成果について,2020年8月から平城宮跡資料館のトピック展示コーナーにおいて展示を行うとともに,奈良文化財研究所の広報誌『奈文研ニュース』で紹介するなど,アウトリーチ活動も行った。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 探検!奈文研2021
Author(s)
奈良文化財研究所編
Total Pages
212
Publisher
奈良文化財研究所
ISBN
978-4-909931-40-5
-