2018 Fiscal Year Annual Research Report
外交官、国際法学者、そして裁判官としての安達峰一郎に関する総合的研究
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17H02455
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
柳原 正治 放送大学, 教養学部, 教授 (60143731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 俊哉 東北大学, 法学研究科, 教授 (00160151)
明石 欽司 九州大学, 法学研究院, 教授 (00288242)
岩本 禎之 (李禎之) 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20405567)
三牧 聖子 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60579019)
丸山 政己 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (70542025)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外交官 / 常設国際司法裁判所 / 国際法学者 / 国際連盟 / 国際法史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においても、世界各地の史料館・図書館に所蔵されている、安達峰一郎関連の一次史料の収集・整理に全力を尽くした。とくにフランス外交史料館での調査を行うとともに、フランスのル・アーブル/サン・タドレスの図書館・史料館の調査も行った。第一次世界大戦でドイツ軍にベルギーのほぼ全土が占領されたためベルギー外務省は同地に置かれていた。1917年5月にベルギー公使に任命された安達は、ロシアを経由して、死の危険に遭遇しながらも、同年11月9日にル・アーブルに到着し、ベルギー国王に国書を奉呈した。そして、翌年11月まで約1年間同地に滞在し、公使としての活動を行った。当時の公邸が同地に存在すること(la Villa Les Sirenes)、またこの間に安達がいろいろな活動をしていたこと、とくにベルギー外務省の担当者とさまざまなやり取りをしていたこと、さらには当時公使館勤務であった黒澤二郎と親交を深めたことなどについての資料を収集できた。 日本の国会図書館・憲政資料室所蔵の「安達峰一郎文書(書簡の部)(書類の部)」には、常設国際司法裁判所関連の文書で、これまで存在が知られていなかったものがかなり存在することも判明した。今後これらの文書の分析を進めることにした。 また安達の生誕150周年にあたることを記念して、2019年6月19日に行われる予定である安達シンポについては、研究代表者のほか、複数の研究分担者も基調報告やパネルディスカッションを担当するため、それらの打ち合わせを行った。 さらに、2019年5月に出版予定の『世界万国の平和を期して―安達峰一郎著作選』(研究代表者が編者)について、収録する資料の収集・整理(手書き資料の翻刻)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年12月、安達峰一郎と諸外国における国際法学者との交流に関連する一次史料の調査・収集の過程で、予備調査の段階では確認できていなかった史料群が本研究に関連するものである可能性を発見した。本研究遂行上、これらの史料群を追加で調査・収集し、その先行研究を含めて分析し、その上で当初から調査・収集していた他の一次史料の分析結果と統合する必要が生じた。そのため、この調査に予定した経費は翌年度へ繰り越すことを申請し、承認を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた安達峰一郎と諸外国における国際法学者との交流に関連する一次史料の調査・収集については、2019年5月までには調査・収集を終え、同年7月までには研究成果のとりまとめを行う予定である。
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Research Products
(9 results)