2019 Fiscal Year Annual Research Report
外交官、国際法学者、そして裁判官としての安達峰一郎に関する総合的研究
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17H02455
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
柳原 正治 放送大学, 教養学部, 教授 (60143731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 俊哉 東北大学, 法学研究科, 教授 (00160151)
明石 欽司 九州大学, 法学研究院, 教授 (00288242)
岩本 禎之 (李禎之) 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20405567)
三牧 聖子 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60579019)
丸山 政己 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (70542025)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外交官 / 常設国際司法裁判所 / 国際法学者 / 国際連盟 / 国際法史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年5月に『世界万国の平和を期して―安達峰一郎著作選』(研究代表者が編者)を出版した。公表された学術論文や随筆のみならず、外交官として書き記した口上書や調書や報告書、日露戦争の捕獲審検所評定官としての調査書や判決、国際連盟や万国国際法学会での報告書、常設国際司法裁判所所長としての報告書や命令・勧告的意見に対する反対意見などを一冊にまとめた、安達峰一郎の最初の著作集である。フランス語を主とする欧文著作(書簡を含む)も巻末に一括して掲載した(100頁あまり)。この著作集の出版によって、安達の業績が内外に一層広く知られることとなることが期待される。 また、6月15日には東京で、安達峰一郎記念財団の主催で「よみがえる安達峰一郎―世界が称賛した国際人に学ぶ」という記念シンポジウムが開催された。200名近くの参加者を得て、安達の思想と行動が現在の混迷する国際社会にとって持つ意義について、熱心な討論が行われた。研究代表者が基調報告を務め、複数の研究分担者も個別報告を担当するとともに、パネルディスカッションにも参加した。 また、国際法協会日本支部が主催して、2019年4月27日に「日本における国際法学の誕生」という共通テーマでの研究大会が行われた。研究分担者の三牧が「大戦間期の戦争違法化と安達峰一郎」というテーマで報告を行った。 海外の史料館の一次史料の収集作業も引き続き行った。ベルギーの外交史料館で再度の一次史料の収集作業を行った。これまでほとんど知られていない、黒澤二郎関連の史料をかなりの数収集できた(“Correspondance politique Japon”や13.584など)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記した研究計画をほぼ順調に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本研究課題の最終年度となるので、これまでの研究成果をとりまとめ、外務官僚・外交官、国際法学者そして裁判官としての安達峰一郎の業績について、海外へも含めて情報発信を行いたい。
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Research Products
(14 results)