2017 Fiscal Year Annual Research Report
Self-control under temptation, consumption choices, and macroeconomic dynamics: Theory and empirical analysis
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17H02499
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
池田 新介 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (70184421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 健 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (60754827)
平田 憲司郎 神戸国際大学, 経済学部, 講師 (70423209)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セルフコントロール / 時間選好 / 割引 / ストレス / 消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
誘惑下のセルフコントロールを明示的に考慮した二重自己(dual self)モデルを構築することによって、以下の6つの問題を考察した。(i) 過大消費への誘惑がある財(誘惑財)(例: ワイン、ジャンクフード)とそれがない財(非誘惑財)とでは、消費行動にどのような違いが生じるか、(ii)その違いは、奢侈財(ワイン)/劣等財(ジャンクフード)のような財の性質にどのように依存するか、 (iii)セルフ・コントロールによる疲労は時間選好率にどのように影響するか、 またそれは、誘惑財と非誘惑財でどのように異なるか、(iv)セルフ・コントロールの疲労効果について無知(ナイーブ)な消費者とそうでないスマートな消費者では行動上・厚生上どのような差異が生じるか、(v)誘惑財によく見られるように、その消費効用に飽和点がある場合に、消費行動はどのように変わるのか、(vi)セルフ・コントロールや疲労に関連して提出されてきた従来の実験結果はこの理論モデルによってどのように説明できるか。これらの分析結果は、Ikeda and Ojima (2017)にまとめられた。 これに平行して、セルフ・コントロールによるメンタルストレスと消費性向や時間選好率の関係について、経済実験およびアンケート調査を実施した。 さらに、周到な打ち合わせを経て、インターネットによる社会的幸福と差別感およびセルフコントロールについてのアンケート調査を実施し、データのスクリーニングと基本統計量と主要変数間の単相間を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)誘惑とセルフコントロールを考慮した理論モデルの開発、(2)セルフコントロールと行動についての実証分析、(3)社会的幸福と差別およびセルフコントロールの関係という3つのトピックを並行して進めており、概ね順調である。(1)については、すでに論文を投稿し、改訂再投稿を済ませた第2ラウンドまで進んでいる。同論文を拡張した論文についても分析は終了している。(2)、(3)についても、予備的分析を終え、これから分析精度を上げて、論文執筆に取りかかる予定である。 メンタルストレスと時間選好についてのアンケート調査および経済実験のデータは整理を終え、目下分析途上である。
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Strategy for Future Research Activity |
目下投稿中の論文を出版に漕ぎ着けることが第一の仕事になる。それにつづいて、拡張論文を執筆し投稿する。アンケートによるセルフコントロールと社会幸福および差別に関する実証研究は、単相間の形で観察されている関係の頑健性をチェックし、論文執筆までもっていく。 アンケート調査と経済実験のデータについては、解析を終了させて論文執筆につなげていく予定である。
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