2017 Fiscal Year Annual Research Report
複数の異質エリアを同時考慮した連続距離空間都市モデルによる最適都市政策設計
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17H02517
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 燈 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (30725255)
中島 賢太郎 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (60507698)
SHIN KONGJOO 九州大学, 工学研究院, 特任講師 (30757232)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コードンプライシング / 土地利用規制 / 鉄道 / 道路 |
Outline of Annual Research Achievements |
<分析1>伝統的なAlonso(1964)の都市モデルと食物連鎖の生物が生息する生態系エリアを統合したUrban-ecosystem modelを構築した。このモデルを用いて、距離に依存した市場の失敗を分析した。その結果、面積のみを考慮していたEichner and Pethig(2006, JEEM)とは異なり、都市拡大が最適になるケースも存在するという結論を得ている。また、その条件の導出も行っている。この違いの原因は、彼らの研究では面積のみから発生する外部性のみ考慮可能であるためである。現実の都市では本研究のように地点別に異なる外部性となるため、本研究の成果は有効である。今後は、この構築したモデルを用いて、土地利用規制研究を行う。 <分析2>は、Kono and Kawaguchi (2017)に自動車関連税を導入して、鉄道も考慮したモデルを構築した。また、土地利用規制のないケースの分析も行った。鉄道と自動車の両手段を都市空間で考慮する研究はほとんどなく、土地利用研究ではBuyukeren and Hiramatsu (2016)の2ゾーンで構成される都市モデルに限られる。彼らは、鉄道の追加的考慮により都市境界規制を拡大すべき場合がある、すなわちコンパクトシティ化が間違いという興味深い結論を導出している。本研究は、彼らの結論を連続空間で検証した。その結果、連続都市モデルでも、彼らと同様に拡大すべきケースを得た。また、その条件も導出した。実際の都市は連続空間であるため、本研究の結論は有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、計画書に示した通り、順調に分析が進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
【平成30年度】<分析1>、<分析2>ともに、理論モデルをもとに数値計算分析を行う。定量分析は数値解析である。数値解析は、仙台市をイメージした都市を対象とする。すなわち所得、都市規模、家計項目別支出構成等を仙台市に合わせる。なお、数値計算の結果と理論分析結果を比較検討し、必要に応じて理論分析を追加や見直しをする。理論(理論解析および数値解析)の論文を両新展開とも(つまり2論文)完成させる。 【平成31年度】<分析1>、<分析2>ともに、CGEモデル構築・分析を始める。特に詳細データの入手が必要である。 <分析1>については生態系データが膨大である。これは山形(国立環境研究所)と大学院生で整理を行う。 <分析2>については、道路ネットワークが大規模データである。仙台市の道路ネットワークについては財)計量計画研究所の協力を得て入手済みである。大規模CGE分析では、均衡解が得られるかどうかがポイントとなる。現在のところ確定効用で空間均衡する解を得る予定であるものの、均衡解を得るのが難しい場合は、効用に確率項を入れて対処する。
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Research Products
(20 results)