2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H02531
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
張 紅咏 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員 (80707878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千賀 達朗 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員(特任) (80795237)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不確実性 / 企業による期待形成 / 企業行動 / 事業計画 / 投資 / 直接投資 / 輸出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不確実性と企業に焦点を当て、最新の方法で企業の主観的不確実性指標を構築し、企業レベルのデータを用いた実証分析から、事業環境を巡る先行き不確実性が、どのように企業行動に影響を与えるか明らかにすることを目的とする。特に、新たな企業サーベイを通じて、企業による将来予測(自社売上やGDP成長率等)の主観的確率分布を調査。分布情報を用いて不確実性指標を構築し、それと企業行動およびパフォーマンスとの関係を実証的に明らかにする。昨年度主な研究成果は下記の通りである。 第一に、2017年10月~11月に経済産業研究所(RIETI)では「企業の事業計画と予測に関する調査」を実施した。製造業およびサービス業に属する約15,000社を対象とする。回収率は14.8%である。企業サーベイの結果を利用して次の記事を執筆した。①「企業行動は変えられるか 先行き懸念強く 慎重姿勢」、2018年3月8日 日本経済新聞「経済教室」に掲載。②「TPPへの期待と政策課題」RIETIコラム2018年3月8日に掲載。 第二に、独自の企業サーベイと同時に経済産業省「企業活動基本調査」および「海外事業活動基本調査」を用いて論文“Uncertainty, Imperfect Information and Learning in the International Market”(海外需要の不確実性と輸出・直接投資のダイナミクス)を執筆し、2018年3月にRIETIディスカッション・ペーパーとして公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度予定通りに独自の企業サーベイを実施した。その結果の一部をすでに日本経済新聞で発表した。いま分析結果をまとめて論文を作成しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定としては、2018年4月18日にRIETI国際ワークショップを開催し、本研究の国内外の研究協力者を招き、不確実性と企業に関する最先端の研究発表を頂く同時に、我々の企業サーベイの結果を発表する。5月10日~11日中国北京で開催される"Uncertainty and Economic Activity: Measurement, Facts and Fiction”で報告する。その後、7月に米国NBER Summer Institute、8月にBarcelona GSE summer forum、スタンフォード大学などで報告する予定である。 また、関連研究として各種の政府統計を利用して不確実性、期待形成と企業行動に関する研究を進めていく。
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Research Products
(14 results)