2018 Fiscal Year Annual Research Report
新たな局面に入ったグローバル金融規制と危機管理の再構築
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17H02545
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小川 英治 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80185503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花崎 正晴 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60334588)
安田 行宏 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (10349524)
中村 恒 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80418649)
高見澤 秀幸 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (60361854)
小林 健太 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60432902)
高岡 浩一郎 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (50272662)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金融政策 / 金融規制 / 金融摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費研究プロジェクトの2年目であった平成30年度の研究は、初年度(平成29年度)からの研究体制を継続して、金融政策班、金融規制班、企業金融班、金融市場班の4班から組織された。平成30年度は、各班が平成29年度の基礎的な分析を本格化・発展させながら、最終年度(平成31年度)のプロジェクト完結に向けて4班による共同研究に着手した。具体的には、上記4班を適宜融合させながら、政策分析と、ミクロ金融摩擦とマクロ金融市場の2つの分析に焦点を当てて研究が推進された。詳細は以下の通りである。 (1)政策分析については、金融政策班が、(i)日米欧の中央銀行によるゼロ金利政策・マイナス金利政策とQE政策及びそれらの出口戦略、(ii)金融政策の「協調の失敗」として逆方向の金利政策が国際資本移動を通じ内外経済に及ぼす効果、及び(iii)それらに対して新興市場諸国が採用した金融・通貨政策の効果、について分析を本格化した。これらの分析を通じて世界の主要中央銀行とのCSAの効果と、IMFと地域金融協力による金融支援対応の効果について考察した。また、金融市場班は、金融政策班と交流しながら、金融摩擦下での超低金利・マイナス金利動向及び資本市場動向の研究を推進した。 また、(2)ミクロ金融摩擦とマクロ金融市場については、企業金融班・金融規制班が各種の実証分析を本格化した。具体的には、(i)企業の資金調達行動や設備投資行動が世界金融危機の前後でどのように変化しているのか、(ii)金融規制体系の変化が企業のファイナンス環境を変化させて企業行動に制約を課しているのか否か、及び(iii)金融機関のリスクマネー供給機能はどのような要因によって規定されているのか、について分析した。さらに、ミクロ・マクロ両面において金融規制強化の動向がいかなる影響を及ぼしているのかを実証的に分析し始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)金融政策協調と通貨政策、(2)金融規制、(3)企業金融、 (4)金融市場、の4つの研究プロジェクトが交流しながら予定通り研究を進めており、さらに当初計画の通りロンドン大学やライプツィヒ大学との国際的な研究協力も推進された。また、来年度(平成31年度)は本研究プロジェクトの最終年度であってその際に本科研費研究プロジェクトの最終成果を社会に発信するために、当初計画通り平成30年度から、最終年度(平成31年度)の国際コンファレンス開催を企画し始め、事務的な準備を開始した。具体的には、同コンファレンスについて、本研究プロジェクトの研究代表者・研究分担者の全員および、国際的に研究協力してきた著名な海外研究者が研究成果を発表・討論する方針を決定した。そこで、これまでマクロ分野で欧州問題を中心に国際金融市場の研究について共同研究を行ってきた海外研究者2名、また、 ミクロ分野で特にESGに関して研究討論を行ってきた海外研究者2名、という計4名の海外研究者を同コンファレンスに海外から招聘することを決定し、その先生方全員から内諾を得て、各種調整を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(平成31年度)は、本科研費研究プロジェクトの最終年度にあたり、予定通りこれまでの研究を推進しながら4班の融合も継続し、本研究プロジェクトの総括を行う予定である。特に、本研究プロジェクトの成果を発表し社会に発信するために、一橋大学で国際コンファレンスを開催する。具体的には、これまで本プロジェクトで国際的に研究協力している著名な海外研究者4名を招聘し、本研究プロジェクトメンバー全員、および招聘した海外研究者がそれぞれ発表・討論を行いながら、本研究プロジェクトの成果を社会に発信する方針である。
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Research Products
(22 results)