2019 Fiscal Year Annual Research Report
醸造業による農村工業化と和食文化の形成に関する地域比較研究
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17H02553
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井奥 成彦 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (60184371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 勝利 関西大学, 政策創造学部, 教授 (00454596)
谷本 雅之 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (10197535)
落合 功 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10309619)
中西 聡 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20251457)
市川 大祐 北海学園大学, 経済学部, 教授 (20364226)
花井 俊介 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70212149)
青木 隆浩 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (70353373)
前田 廉孝 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (90708398)
三科 仁伸 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (10825152)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 醤油醸造業 / 酒造業 / 東海 / 関東 / 東北 / 北海道 / 和食 / 農村工業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、東海地域班、関東地域班、東北・北海道地域班に分かれて研究を進めているが、東海地域班においては2019年8月24~25日及び繰越予算を使って2020年9月6~7日に愛知県半田市の旧醤油醸造家小栗家(旧萬三商店)及びかつての料亭末廣の史料調査を行い、近代における醤油の製造者、購入者両面からの考察を行っている。また9月1~2日及び12月14~15日に、東海地域に近い北陸の醤油醸造業者である富山県射水市の片口家の史料調査を行い、東海地域の醤油醸造業の影響や他地域の醤油醸造業との比較を行っている。 関東地域班においては、2019年4月3~4日に千葉県銚子市のヤマサ醤油株式会社本社の史料調査を行い、近代の業務報告書、製造工程関係史料、地方販売関係史料などの整理、撮影を行った。また7月20日に野田市の旧醤油醸造家髙梨家の史料調査を行い、近世の原料調達などこれまでの同家の研究で手薄であった分野の史料の閲覧、撮影を行った。また、千葉県香取市の石橋酒造場の調査を行い、主に技術面の考察を行っている。さらに、2020年1月には千葉県柏市の醤油醸造家吉田家史料の調査を3度行った。 東北・北海道地域班においては、2019年8月21~23日に青森県八戸市立図書館所蔵甲文醤油史料の撮影を行い、同史料群の撮影を終えた。また、8月24~26日及び2020年2月18~19日に青森県野辺地町立歴史民俗資料館所蔵野坂常吉家史料の調査を行い、醤油の販路に関する史料の閲覧、撮影を行った。さらに、2020年2月15~17日に、八戸市立図書館蔵矢幅家文書の醤油・味噌醸造関係史料を閲覧、撮影した。 その他、醤油醸造業の地域間比較の意味で、2019年9月9~12日に大分県中津市の醤油醸造家室屋文書の整理、閲覧、撮影を行った。 上記各地での調査、史料分析を踏まえ、2019年7月28日及び12月21日に研究会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に入るまでは、各班とも史料の整理、撮影、分析が当初の計画以上に進展したといえるが、2020年に入り、新型コロナウイルス流行の影響で、春休みの史料調査が予定通りに行えず、予算の一部を2020年度に繰り越した。 東海地域班の小栗家調査においては、戦前期の史料整理はほぼ終わり、末廣の史料は整理途上である。また、片口家の史料は、研究に用いる分の撮影はほぼ終え、分析もかなり進み、研究会での発表も行った。 関東地域班のヤマサ醤油史料の整理はほぼ終わっているが、研究に用いる史料の撮影が、新型コロナウイルス流行の影響で一部できていない。髙梨家の史料撮影も、やはり新型コロナウイルス流行の影響で一部停滞が生じている。石橋酒造場、吉田家史料の調査は順調である。 東北・北海道班では、甲文醤油の史料撮影が終了、野坂家史料は史料撮影が終了して、分析もかなり進んでいる。矢幅家史料については、史料の残存量が少ないが、撮影をほぼ終え、今後の生かし方を検討中である。 室屋文書については、整理途上であるが、2020年に入って新型コロナウイルス流行の影響で現地に行けず、整理を一時中断している。
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Strategy for Future Research Activity |
東海地域班においては、小栗家史料を各自の問題意識の下に分析を進める。末廣の史料は整理を完結させ、研究会において各自のテーマに基づいた報告を行う。また、片口家の史料については、分析結果を論文にまとめ、学会誌等に投稿する。 関東地域班のヤマサ醤油史料については、調査に行けるようになり次第、撮影し残した史料の撮影を済ませ、分析に入る。髙梨家の史料についても、調査に行けるようになれば撮影し残した史料の撮影を済ませ、分析して論文としてまとめる。石橋酒造場、吉田家史料については、分析の後、研究会で報告を行う。 東北・北海道班では、甲文醤油の史料撮影が終了したので、分析を行い、研究会で報告する。野坂家史料については、近々論文を学会誌等に掲載する予定である。矢幅家史料については、今後の生かし方を検討中であるが、まずは研究会での報告を行う。 室屋文書については、整理途上であるが、コロナが収まって調査に行けるようになれば、整理を再開し、できるだけ早いうちに成果を研究会で発表したい。
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Research Products
(24 results)