2018 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanism of bodily modulation on decision-making
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17H02649
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 昌宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00533960)
田邊 宏樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)
柴田 和久 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (20505979)
片平 健太郎 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60569218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生理 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究成果に基づき、下記の研究を行った。 1.モデルフリー方略とモデルベース方略、およびそこへの身体反応の関与、の神経基盤として島皮質、線条体、外側前頭前皮質を関心部位として考え、それらの脳部位の機能が意思決定方略に及ぼす影響を検討するため、MRSと安静時fMRIによる神経画像法を用いた実験研究を(N=28)を行った。その結果、線条体と島皮質における神経伝達物質が、脳の大規模なネットワークの機能を修飾することで、意思決定のモデルフリー方略、特にリスクが存在する場面での意思決定を規定していることが解明された。 3.モデルフリー方略とモデルベース方略の重みづけや切り替えに関する神経基盤を探索するために、線条体と外側前頭前皮質を関心部位とし、MRSと安静時fMRIによる神経画像法を用いて脳機能を測定する研究の予備実験を開始した。その結果、モデルフリー方略は線条体の、モデルベース方略は外側前頭前皮質の関与が大きいという予備的知見が得られた。次年度に、この知見を拡張すべく、十分なサンプルサイズによる実験研究を行う。 4.前年度に発表した脳と身体の機能が意思決定に影響する現象の予測的符号化に基づいた計算論モデルをさらに洗練し、総説論文として学術的ジャーナルに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に予備実験を開始した、MRSと安静時fMRIという新しい神経画像の組み合わせを用いて、特にリスクが存在する場面での意思決定におけるモデルフリー方略の神経基盤を解明する研究について、データ収取を完了した。現在、得られたデータを解析しつつあり、有望な知見が得られつつある。この知見を論文として公刊すべく、現在執筆作業を続けている。 モデルフリー方略とモデルベース方略の使用の重みづけを推定するための心理学的行動実験パラダイムを確立し、そこにおける個人の行動特性を推定するための強化学習モデルに基づく計算論モデルを確立した。 この課題と計算論モデルを用いて、MRSと安静時fMRIの組み合わせによる神経画像研究を構想し、予備実験を行った。少数例(N=5)の予備実験の結果、モデルフリー方略には線条体の、モデルベース方略には外側前頭前皮質の関与が大きいという示唆を得た。来年度、十分なサンプルサイズによる実験研究を行って、この知見を検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに、モデルフリー方略とモデルベース方略の使用の重みづけを推定するための心理学的行動実験パラダイムを確立し、そこにおける個人の行動特性を推定するための強化学習モデルに基づく計算論モデルを確立した。 また、この課題と計算論モデルを用いて、MRSと安静時fMRIの組み合わせによる神経画像研究を構想し、予備実験を行った。少数例(N=5)の予備実験の結果、モデルフリー方略には線条体の、モデルベース方略には外側前頭前皮質の関与が大きいという示唆を得た。 これらの知見を基に、来年度、十分なサンプルサイズによる実験研究を行って、この知見を検証する。また、意思決定におけるモデルフリー、モデルベースという異なる方略、それぞれの神経基盤、それぞれにおける身体反応の影響、などを包括的に説明する計算論モデルの構築を目指す。
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