2017 Fiscal Year Annual Research Report
Meta-historical Study on the History of Educational Ideas
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17H02673
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
相馬 伸一 広島修道大学, 人文学部, 教授 (90268657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下司 晶 日本大学, 文理学部, 教授 (00401787)
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (00520230)
尾崎 博美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (10528590)
河野 桃子 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (10710098)
高宮 正貴 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (20707145)
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
鈴木 宏 山口大学, 教育学部, 講師 (40631891)
岸本 智典 作新学院大学女子短期大学部, 幼児教育科, 講師 (50757713)
小山 裕樹 摂南大学, 外国語学部, 講師 (60755445)
綾井 桜子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (70350189)
生澤 繁樹 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70460623)
日暮 トモ子 目白大学, 人間学部, 准教授 (70564904)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育思想史 / メタヒストリー / 古典 / カノン化 / 教員採用試験 / 近代化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29(2017)年度においては、国内外の学会での企画の実施、海外調査を行い、単著3点、共著への寄稿8点、論文11、学会発表12という顕著な実績があがった。以下、概略を記す。 2017年9月9日に武庫川女子大学で開催された教育思想史学会第27回大会のコロキウム「〈教育思想史〉の誕生(2)――ペスタロッチと英米教育思想史」では、椋木香子が教育思想史における古典的思想家としてのペスタロッチの位置づけについて、近年の国内外の研究動向を踏まえて発表した。また、教育思想史テクストの成立過程について、髙宮正貴がイギリスのブラウニングを、岸本正典がアメリカのブロケットをとりあげ、その特質について論じた。同コロキウムは、近年、もっとも浩瀚な教育思想史テクストを編集した真壁宏幹氏(慶応義塾大学)を指定討論者に迎え、事前の学習会も行ったことで、充実した意見交換の場となった。 2017年12月3日、オーストラリアのニューキャッスルで開催されたオーストラレーシア教育哲学会第47回では、室井麗子の企画により、相馬伸一がコメニウスの自然概念が教育思想史でいかに語られたかを論じ、室井がルソーの自然主義が日本の教育学と哲学にいかに受容されたかをあつかい、生澤繁樹がデューイのプラグマティズムと人間本性に関する議論をとりあげて論じた。この企画では台湾の研究者もヘルバルト主義の中国における受容について論じ、有意義な討議が行われた。 発表論文のうち、直近5年間に実施された全国の教員採用試験における教育思想史分野の出題の検討を網羅的に行った相馬・室井・生澤・小山・椋木による共著論文は、本研究課題の問題意識を深めるものである。 このほか、河野桃子がドイツ、髙宮がイギリス、日暮トモ子が中国に文献調査を実施した。これらの活動が次年度の展開につなげられることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
単著及び共著の著作、論文が数多く発表でき、また、国内外の学会での発表も活発に行われ、研究初年度としては十分な成果があがったと判断される。 本研究では、19世紀に教員養成教育の柱のひとつと見なされた教育史において用いられたテクストがいかに生じ、その歴史記述にいかなる特質があるかを探求することが中心的な課題のひとつだが、イギリスとアメリカの主要なテクストについての検討が行われ、知見の共有が図られたのは、十分な進展といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
既述のように、本研究は当初の見込みを上回って順調に推進されている。 2018(平成31)年度においては、さらに研究の進展を図るため、引き続き、教育思想史学会の年次大会におけるコロキウムの企画が充実した内容になるようにとりくんでいく。また、オーストラレーシア教育哲学会におけるミニシンポジウムも実施できるように進める。 加えて、本研究の成果の取りまとめのための出版企画について、次年度中に大枠を確定させ、各研究分担者が研究課題を焦点化できるようにする。
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Research Products
(26 results)