2019 Fiscal Year Annual Research Report
Meta-historical Study on the History of Educational Ideas
Project/Area Number |
17H02673
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
相馬 伸一 佛教大学, 教育学部, 教授 (90268657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (00520230)
尾崎 博美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (10528590)
河野 桃子 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (10710098)
高宮 正貴 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (20707145)
鈴木 宏 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (40631891)
関根 宏朗 明治大学, 文学部, 専任准教授 (50624384)
岸本 智典 昭和音楽大学, 音楽学部, 講師 (50757713)
小山 裕樹 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (60755445)
綾井 桜子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (70350189)
生澤 繁樹 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70460623)
日暮 トモ子 目白大学, 人間学部, 准教授 (70564904)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育思想 / 思想史 / メタヒストリー / 近代化 / 西洋受容 / 古典 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元(2019)年度においては、共著への寄稿5点、論文11点(共著1を含む)、学会発表11(国際学会1、共同6を含む)という実績があがった。以下、概略を記す。 研究組織共同の取り組みとしては、2019年9月13日(日)、立教大学池袋キャンパスで開催された教育思想史学会第29回大会で「〈教育思想史〉の誕生(4)--フランスとアメリカにおける教育学的カノンの形成--」と題してコロキウムを実施した。 前半では、関根宏朗(明治大学)が、本研究が掲げる方法論的視点を再検討する意図から、ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー』に対するギンズブルグやフリードランダーらによる批判とそれに対するホワイトの応答等を通して、アウシュビッツ・ヒロシマ以降に(教育)思想史を問うことの意味を再考した。 後半では、フランスとアメリカにおける教育思想史記述のカノン形成について扱い、綾井桜子(十文字学園女子大学)が、19世紀末に小学校教師養成のために用いられたコンペーレの 『教育学の歴史』を中心に、人物の選択やメタファーの使用といった思想史叙述の特質、スペンサー等の進化論的教育論の影響等の哲学的・思想的背景、教育の世俗化というフランスに特有な歴史的・社会的・制度的文脈との関連における教育思想史の位置について論じた。アメリカでは、19世紀半ば文明史的特徴をもつ教育思想史テキストが成立していたが、岸本智典(昭和音楽大学)が、20世紀初頭にかけて、教職の専門職化に対応した教育思想史叙述の典型としてポール・モンローを取りあげ、当時の知的・社会的背景も視野に入れつつ、教育思想史叙述の特徴に論及した。 このほか、岸本智典がアメリカに資料調査に訪れた。研究代表者の相馬伸一(佛教大学)が、本研究の成果として2018年に発行した『コメニウスの旅 〈生ける印刷術〉の四世紀』は、第16回佛教大学学術賞(社会科学部門)を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の方法論的な検討に関連して、ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー』が引き起こした論争を検討の俎上に載せられたことには大きな意義があった。 フランスのコンペーレとアメリカのモンローの教育思想史叙述は、日本の西洋教育思想史叙述に多大な影響を与えたが、それぞれのテクストの成立の思想史的背景について掘り下げた考察がなされたのは初めてのことであり、学界への貢献となった。 他方、海外への資料調査に関して、進捗の遅れが生じた。アメリカへの調査は実施できたが、年度末からの新型コロナウィルスの感染拡大のため、中国での調査、およびチェコ共和国およびドイツでの調査が不可能となった。また、年度内に2度開催する予定としていた研究会について、2020年3月に予定していた回は中止とせざるを得なかった。 このため区分(2)おおむね順調に進展しているとの評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3か年度は、年度後半に新型コロナウィルスの感染拡大があり、予定していた課題のすべてについて実施できない状況となった。 研究4か年度においても、2020年5月現在、すでに中止が決定した国際学会があり、国内学会の開催の有無、実施方法等が検討されている。 こうした困難な状況にあるが、状況の変化に適切に対応し、教育思想史学会コロキウムの実施を軸に研究会等も開催し、状況が好転すれば、国際学会等での発信にもとりくんでいく。状況が好転しない場合は、オンラインによる意見交換等を進め、当初の目標を達成できるように柔軟かつ機敏に対応していく。
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Research Products
(27 results)
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[Book] 変容する世界と日本のオルタナティブ教育―生を優先する多様性の方へ2019
Author(s)
荒井(大塚)絢子、一見真理子、植田みどり、菊地栄治、河野桃子、木戸啓絵、金泰勲、吉良直、斉藤泰雄、坂野慎二、澤野由紀子、清水満、鈴木優美, 高山龍太郎, 鄭廣姫, 永田佳之, 長嶺宏作, 中村浩子, 福若眞人, 本図愛美, 吉田敦彦, 米山尚子
Total Pages
710
Publisher
世織書房
ISBN
978-4866860091
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