2019 Fiscal Year Annual Research Report
後発国における大学院教育及び学位制度の導入と変容に関する比較研究
Project/Area Number |
17H02680
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70301306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科, 教授 (50211983)
楠山 研 武庫川女子大学, 教育学部, 准教授 (20452328)
石川 裕之 畿央大学, 教育学部, 准教授 (30512016)
田村 徳子 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 講師 (10738850)
中島 悠介 大阪大谷大学, 教育学部, 講師 (60780939)
渡辺 雅幸 (渡辺雅幸) びわこ学院大学, 教育福祉学部, 講師 (00780909)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 教育学 / 大学院教育 / 学位制度 / 後発国 |
Outline of Annual Research Achievements |
4か年の研究計画の第3年度にあたる令和元年度には、①各国の大学院教育及び学位制度に関する文献資料の収集・分析、②各国の高等教育改革に関する現地調査、③総括的比較考察という3つの作業を行った。令和元年度の重点は、平成30年度までに進めてきた調査分析をさらに深めることとし、研究代表者、研究分担者、研究協力者がそれぞれ自分の担当する国・地域を対象に情報の収集と分析を進めた。 ①及び②に関しては、研究代表者、研究分担者(6名)、研究協力者(3名)で分担して作業を進めた。対象国における大学院教育及び学位制度の変遷と現況、改革の動向、またその背景となる各国の高等教育改革等に関する資料収集を行った。図書や文献、インターネットを通じて情報を収集したほか、本研究課題による訪問のみならず様々な訪問の機会を利用して現地調査を行った。ただし、年度末に計画していたいくつかの現地調査は、コロナウイルス感染拡大に伴う渡航自粛により、実施することができなかった。 こうした資料収集や調査をふまえて、大学院教育や学位制度に関する資料を訳出・整理した中間報告書(第3冊)を刊行した。この報告書では8か国・地域を取り上げ、各国の法規や統計、訪問調査報告などを収載した。この成果は、初年度にとりまとめた中間報告書(第1冊)、第2年度に刊行した中間報告書(第2冊)とあわせて、本研究課題において最終年度に大学院教育や学位制度について行うまとめや比較的総括の基礎資料になるとともに、他の研究者や関係者に対する情報提供を行うことができた。 ③に関しては、分析枠組みの精緻化を図るために、これまでの2年度に続いて大学院教育及び学位制度に関する理論研究の収集を行い、その分析を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、研究開始前の準備と参加する研究者(研究代表者、研究分担者、研究協力者)それぞれのこれまでの国別研究の成果をふまえて構想されており、第3年度にあたる令和元年度は、初年度及び第2年度の研究成果をふまえつつ、研究目的に沿ってひき続き研究が進められた。大学院教育及び学位制度の導入と変容に関する理論的検討では、高等教育改革や大学院教育制度に関する理論的研究を渉猟し、本研究課題における分析枠組みの検討を進めることができた。また、各国の分析では、課題に取り組む研究者によって分担され、それぞれの国・地域における大学院教育及び学位制度の歴史的変遷と現状、改革の展開などについて文献調査、現地での聞き取り調査を実施した。令和元年度に予定していた現地調査のうちいくつかの国については実施することができなかったが、文献調査を積極的に進めることによって補完した。そして、8か国・地域の関連資料を訳出し、いくつかの統計資料を整理して収載した中間報告書(第3冊)を刊行することができた。対象とした国・地域は具体的には、韓国、中国、台湾、ベトナム、インド、ヨルダン、キューバ、ブラジルである。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの3年度は研究計画に沿っておおむね順調に展開できたので、最終年度となる令和2年度以降もひき続き、全体的な研究枠組みの検討・精緻化を進めるとともに、本研究に参加している研究者による国別研究を実施する。国別研究はこれまでと同様、文献調査と現地での聞き取り調査及び一次資料の収集を組み合わせて実施するが、最終年度においては、これまでの文献調査及び現地調査をふまえつつそれらを積極的に展開して、ひき続き大学院教育及び学位制度の歴史的経緯とともにその現状や改革の動向に関する情報収集に努める。その際、最終年度は第3年度にひき続き、大学院教育の展開や改革動向に分析の重点を置くこととする。海外での現地調査は、コロナウイルス感染拡大の状況等を適切に把握しながら、可能な地域について実施し、実施が難しい場合には、よりきめの細かい文献調査や、国内外での研究者ネットワークを通じた情報収集によって補完していくものとする。そうした国別研究をもとに、全体的な研究枠組みに基づいて本研究全体の総括を行うこととしたい。
|