2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Quantitative Analysis Method of B-10 for BNCT Pharmacokinetic Evaluation by Use of Compact and Extremely Compact Neutron Sources
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17H02810
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 開 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (80303907)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / 元素定量分析 / 小型中性子源 / 中性子即発ガンマ線分析 / 張力準安定流体検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
『簡易PGA法』:中性子捕獲反応の放出ガンマ線を検出することでB-10を定量する。小型中性子源での定量分析を可能とするために、中性子源・試料・検出器を近づけて信号計数率を確保する。引き換えに、検出器への中性子照射を許容し、これによるバックグランド・ガンマ線の発生を遮蔽材等の配置により最小化する。 『中性子誘起α線検出法』:試料をTMFDの検出媒体(液体)に混入して中性子を照射し、中性子捕獲反応で放出されるα粒子を検出することでB-10を定量する。TMFDは、検出媒体への印加張力で決まる閾エネルギーを超えるα線や中性子のみに感度を有する。比較的低い2.45 MeV単色中性子を発生するDD核融合中性子源を用い、理想的には閾エネルギー以下の中性子のみを照射してB-10の放出するα粒子を高S/N比で検出する。 本年度は以下の3項目を実施した。なお、以下の(1)(2)・・・などの記号は、応募時の研究計画・方法に記載の実施項目区分を示す。なお、当初計画では 項目(1)(2)(3)を実施する予定であったが、項目(2)の結果を受けて計画を変更し、項目(3)に代えて項目(6)を前倒しして実施した。 (1) 『簡易PGA法』の予備実験結果の分析と遮蔽物・検出器配置の検討 中性子輸送計算コードを用い、準備実験の体系で数値計算を行って実験と比較して考察し、遮蔽材等配置の設計・解析に用いる計算モデル・方法を検討、次年度の実験における遮蔽物・検出器配置を決定した。 (2) 『中性子誘起α線検出法』のためのTMFDのα線検出特性の評価 ホウ素化合物をTMFDの検出媒体に混入して熱中性子ビームを照射し、α粒子の計数率のTMFD印加張力への依存性を取得した。 (6) 『中性子誘起放出α線検出法』に基づく実用分析システムの初期設計:中性子輸送数値解析により減速材配置を検討し、この初期設計配置の実験体系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
条件設定のためにα線検出特性の評価(実施項目(2))を行った結果、当初予定していたものより低エネルギーにまで照射中性子を減速して照射しなければ、目的とするS/N比を示す原理実証実験(実施項目(3))ができないことが判明した。このため、このような場合の対応として当初より計画していた通り、次年度に予定していた数値シミュレーションによる減速材配置の検討(実施項目(6))を前倒しして実施することとした。 年次計画は変更することとなったが、変更は当初予想していた範囲内の実施順序の入れ替えであり、全体計画としては遅れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り一部項目について実施する順序を変更したが、このことを除き当初計画道理に研究を進める。
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