2020 Fiscal Year Annual Research Report
generation of quasimonoenergetic proton beam by nano-structured target
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17H02812
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 匡且 大阪大学, レーザー科学研究所, 教授 (80192772)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロバブル物理の解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代物理の中でも、とりわけ量子電磁力学(QED)の延長線上に ある“シュウィンガー極限電場”付近で起こるとされる電子・陽電子対生成雪崩(cascade)現象は、未だ解明されていない未踏の挑戦的研究領域である。 しかし、この現象を通常議論されている光子同士の衝突を使い実験するに、 現在のレーザー技術で達成される最大照射強度で、さらに一千万倍が必要と されている。本報告者は、ミクロンサイズのバブル(空洞)構造を内部に持つ固体ターゲットを超高強度・超短パルスレーザーで照射すること で、シュウィンガー極限電場を達成し得る物理機構を発見し「マイクロバブル 爆縮」と命名した。 本研究の目的は、第一に、マイクロバブル爆縮というこの全く新しい物理 コンセプトにより、シュウィンガー極限電場近傍における電子・陽電子対生成雪崩の物理を解明することである。第二に、本研究を通じて、「バ ブル爆縮」の原理実証実験に向けた理論設計を行うことである。 現代技術の範囲内で 、しかも地上で“角砂糖大で数百 kg に相当する超高密圧縮”や“太陽中心の百万倍の エネルギー密度”、そして“真空から爆発的に物質(電子・陽電子対雪崩)を創生する程の超高(シュウ ィンガー極限)電場”を実現し得る原理を発見・提唱したのは本申請者による「マイクロバブル爆縮」が 世界で初めてである。 本研究を通して得られた一連の成果は、マイクロバブル爆縮という極めてユニークな物理コンセプトが世界に大きなイ ンパクトを与えたこと、そして相対論から量子論に至る幅広い基礎研究プラットフォームを形成するこ とで多種多様な研究へと発展し得ることを示唆している。今後、この新たな物理現象を通じてレーザー 科学・高エネルギー密度物理学・宇宙物理学等における新たな研究潮流の創生が期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)