2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high power THz Operando-measurement system for investigation of protein dynamics
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17H02821
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黒田 隆之助 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, ラボチーム長 (70350428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (30386643)
坂上 和之 早稲田大学, 高等研究所, 准教授(任期付) (80546333)
谷 峻太郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (80711572)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | テラヘルツ / 光源技術 / 分光技術 / 加速器 / 高性能レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
物質の複素誘電率の測定を可能とする広帯域時間領域テラヘルツ分光法は、テラヘルツ電場により誘起された結晶の複屈折性の大きさを精密に測定することにより高感度な測定が可能となり、タンパク質の機能発現メカニズム解明のための強力なオペランド計測ツールとして期待できる。一般に複屈折の精密測定は偏光回転の大きさを差分検出することによりなされるが、本研究で必要となるシングルショット電場波形測定において差分の高感度検出を行うことは困難であった。本年度は、シングルショット電場波形測定の高感度化のための測定装置の検討・試作を行い、単一差分検出器において10-6レベルの偏光回転を検出することに成功した。単一差分検出器において最適化された結果を基に32チャンネルリニア型アレイディテクタの差分増幅による高感度シングルショットテラヘルツ電場検出装置の開発を行なっている。 また、本研究では小型加速器を用いた高強度テラヘルツ発生及びEO(Electro-Optic)サンプリング法による検出についても行うが、本年度は、EO結晶及びテラヘルツ発生用の媒質の最適化を実施した。結晶としては、ZnTe・GaP・GaSeを試験した。周波数帯域に関しては、GaP・GaSeが優位であったが、信号強度としてはZnTeが最適であった。これらの特徴を生かし、計測ごとに最適な結晶を選定して利用していく。テラヘルツ発生用媒質としては、密度・屈折率の異なる3種類の媒質を試験し、最大強度が得られる媒質としてTOPAS(環状オレフィンコポリマー)であった。シングルショット計測に関しては、レーザー光源の準備を実施し、時間-波長に関して相関を持つ光の生成を実施し評価した。今後はテラヘルツ強度を向上させるとともに、シングルショット計測の実証を行っていく。こららの要素技術開発を融合させ、タンパク質水溶液サンプルのシングルショット計測を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、タンパク質の水溶液サンプルのテラヘルツ計測を目指すにあたって、計測の高感度化とEO結晶の最適化、及びテラヘルツ発生媒質の最適化といった要素技術開発が重要となるが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もテラヘルツ波を用いたEOサンプリングにおける計測の高感度化と結晶の最適化、及び発生媒質の最適化による要素技術開発を進め、小型加速器によって生成した高強度テラヘルツ波によるシングルショット計測の実現を目指すとともに、タンパク質水溶液サンプルのオペランド計測の準備を進めていく。
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Research Products
(8 results)