2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on Earthquake Rupture Propagation Using Large-scale Friction Experiments
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17H02954
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福山 英一 京都大学, 工学研究科, 教授 (60360369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 太 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 主任研究員 (90374165)
川方 裕則 立命館大学, 理工学部, 教授 (80346056)
溝口 一生 一般財団法人電力中央研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (50435583)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 岩石摩擦 / 地震発生 / 岩石実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
長大2軸岩石摩擦試験機を用い、長さ4mの変斑レイ岩試料を用いた岩石摩擦実験を行なった。法線応力をかけたのち、剪断応力を載荷していくと、岩石両端から初期のゆっくりすべりが開始し、徐々に中心部に向いすべり残りがあるサイズになった時点で不安定すべりに移行、中央部のすべり残り部分を破壊したのち両端に向かって高速すべりが伝播する現象が発生し、ひずみゲージ、渦電流変位計、AEセンサーアレイによって捉えられた。この現象は、沈み込み帯におけるプレート境界上で発生している繰り返し地震の解析によって得られている、アスペリティ周囲の定常的なすべりとアスペリティの周期的な破壊により繰り返し地震が発生する現象と類似性が高く、プレート境界において発生している不均質すべり現象のアナログ現象として考えることができる。本年度はガウジ層が摩擦パラメータに及ぼす影響を調べることに焦点を置いた研究を行った。ガウジ層を含む岩石摩擦実験を行い、ガウジ層を含まない場合との実験結果の比較を行い、速度状態依存摩擦則におけるa,bにはあまり大きな影響を与えないものの、Dcが2オーダほどガウジ層がある場合に大きくなる結果が得られた。これは、ガウジ層の存在がすべり発生後の摩擦の性質を大きく変化させることを示している。また、ガウジ層が成長していく過程において速度状態依存摩擦パラメータの推定を行い、Dc値の増加のプロセスをモニターすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4m長の岩石試料を用いた岩石摩擦試験機により、実際に自然界で観測されている現象と類似したデータが十分な再現性をもって得られており、今後のさらなるデータの解析により、その発生メカニズムの解明に寄与できるものと考える。当初の予定通り、前震活動の詳細の把握がしやすいAEセンサーの解析を行ってきたが、今後は、歪みデータから得られるゆっくりすべりとAEデータから得られる前震活動との統合解釈に向けての研究を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクトは、問題なく進展しているので、特に推進方策の変更はない。 各種センサーの設置密度を上げ、破壊伝播速度や前震活動の測定制度のさらなる向上を図り、断層すべりと断層面の性質との関係、断層面の応力蓄積状態や断層面強度分布と破壊の生成伝播の詳細な関係を調べ、初期破壊の成長、不安定破壊への移行、破壊伝播の加速/減速、supershear破壊伝播モードへの移行などをコントロールする要因を精密に調査していく予定である。
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