2020 Fiscal Year Annual Research Report
革新的洋上ゾンデ観測の提案~水平スキャニングが掴む黒潮前線の対流圏大気への影響
Project/Area Number |
17H02958
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
立花 義裕 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10276785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万田 敦昌 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00343343)
西井 和晃 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (50623401)
山田 二久次 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (40324553)
松尾 奈緒子 三重大学, 生物資源学研究科, 講師 (00423012)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラジオゾンデ観測 / 大気海洋相互作用 / 海洋前線 |
Outline of Annual Research Achievements |
暖かい黒潮とその北方の海を隔てる海洋水温前線(黒潮前線)では,僅か数km の水平距離で水温が急変していることが知られている.横たわる黒潮前線の北に隣接する紀伊半島や四国などの日本列島の南岸の降水量は際だって多く,熱帯や離島を除けば世界一の多雨地帯である.黒潮に近接した地域の植生は他の日本列島の植生と大きく異なる.従って,地理学的・森林科学的・生態学的にみても黒潮に近接する日本列島の南岸が多雨地帯である理由が明確となる意義は大きい.研究代表者らは黒潮前線が日本南岸の降雨を促進するプロセス仮説を立てた.この仮説を,研究代表者らが発案した水平スキャニング可能な革新的GPS ゾンデ観測手法を用いて直接観測で実証しそれを裏打ちする数値実験によって立証することが本研究の目的である.この仮説は他の海洋前線近傍で起る可能性があり,他の海域への適用への挑戦や,上述の地理学的・森林科学的な応用にも挑戦した. 申請者らが発案した「風追尾式 多高度係留観測」と「同時多発移動連続放球」を実施したデータ解析を行った結果,現場観測にほぼ成功であったことが確認できた.また,暖かい空気解が冷たい空気解を滑翔する仮説を支持する結果も得られた.さらに,同様の理屈が他の海域でも起こっていることを示した.例えばベーリング海峡北方の北極海の海氷縁でも,暖かい海上を滑翔しつつ上昇する空気解の存在と,それによる対流圏中層の加熱が対流圏中層の偏西風の蛇行にまで影響を及ぼすことが示唆され,狭い範囲の海洋構造が大気に影響を及ぼすことが一般的であることの足掛かりを得ることができた.また,それら海洋前線の構造が黒潮近傍の海洋生態系に及ぼす影響や,海起源の水蒸気と陸起源の水蒸気の分別の研究へも発展した.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(46 results)