2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of High Performance Smart Composite Material with Enhancing Domain Density at the PZT/Magnetostrictive Interface for Designing Energy Harvesting, IoT Devices
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17H03140
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古屋 泰文 東北大学, マイクロシステム融合研究開発センター, 特任教授 (20133051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 晶彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00197617)
成田 史生 東北大学, 工学研究科, 教授 (10312604)
和田 智志 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60240545)
中尾 航 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60361870)
戸津 健太郎 東北大学, マイクロシステム融合研究開発センター, 准教授 (60374956)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複合機能材料 / 環境発電 / ナノドメイン / スピントロ二クス / 磁歪合金 / 圧電体 / マルチフェロイクス / IoTセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,自立分散型IoTセンサや環境発電エネルギーハーベスト型の高性能スマート材料・デバイス設計・開発およびその実証実験を行うことを目標としている。マルチフェロイクス効果を活かせる、圧電・磁歪材(薄板、ファイバ)複合機能型材料の創製及び環境発電デバイスの実証を行う。
本年度(H.30)は、昨年度(H.29)に続き、大磁歪・高感度の代表者らが知財を有するFeCo過剰型(70原子%)組成磁歪合金の極薄板の圧延加工に挑戦して、世界最薄レベルのt=0.05mm(50μm)の安定的な磁歪薄板製造条件を得た。これにより、圧電体や他の磁性体との積層型の複合機能化デバイス製作が可能になった。また、磁化過程での磁区発生・移動を反映する、ミクロ磁気的雑音(バルクハウゼンノイズ,BHN)計測システムを通して、当該FeCo過剰型組成磁歪合金ワイヤーを用いた、応力負荷時の磁区挙動のメカニズムを考察して、海外の著名な磁性物理の英文雑誌に受理された。これらの基礎的なデータ蓄積により、非破壊的な高感度BHN応力センサ実現の可能性を提唱できた。 さらに、圧電体で表面を被覆した磁歪積層型のマルチフェロイクス複合機能型材料では、磁気センサの高感度化、振動発電素子での高出力化が実証されて、東北大学・知財からの特許申請が認可された、ゆえに、学会での公表は差し控えている。
以上より、磁歪合金(FeCo過剰型)の加工熱処理・改質による高感度化および磁気的雑音(バルクハウゼンノイズ,BHN)計測システム)の応力依存性については、学会発表および論文投稿(英文誌受理1件)を行って、成果の公表に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度からの継続課題として、マルチフェロクス型複合機能材料の素材側の一つである、新磁歪FeCo合金への強圧延加工プロセスの工夫により、世界最薄(≦t=0.05mm)の磁歪板が創製されたことが挙げられる。この素材への熱処理最適化により、一層の磁歪量および磁歪感受率の増大を達成できた。
また、外部磁界や応力負荷時の磁区発生・移動メカニズムを反映する、ミクロ磁気的雑音(バルクハウゼンノイズ,BHN)の発生頻度、電圧強度・周波数特性(スペクトラム)へのミクロ的な相関性を討議できた。これらにより、新たな、スピントロニック複合機能化ナノ材料への研究開発、すなわち、圧電体や他の磁性体で表面を被覆または積層化した磁歪材(薄板)ベースの複合機能型材料を製作する準備ができた点が挙げられる。
これらは、最終年度(H.31)で実証予定の、各種移動体や分散型インフラの診断用”IoT対応型センサデバイス”に繋がっていく。また、その成果として、新素材、IoTセンサ、非破壊的なBHN応力センサ等で国内外学会発表と特許申請2件(継続1、新規1)が有ることが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度まで(H.29~H.30)の成果をもとに、本研究開発目標である、磁歪合金の積層型・圧電体被覆のマルチフェロイクス型機能融合コンポジット創製、機能発現メカニズム解明、その採取データへの理論解析を進める。また、マイクロ環境発電デバイスの一つとして、磁歪式振動発電を有するIoTセンサデバイスへの実証試験も行う予定である。そのために、以下の項目を研究する。 (1)マルチフェロイクス(磁歪・圧電)複合機能体の創製; 薄層型磁歪・圧電体の製造と特性解析の深化とスピントロニック・シナジー効果視点で の高感度化メカニズムへの考察。 (2)マルチフェロイクス機能体での異相界面ミクロ設計;ミクロ~ナノ設計(三次元3D成形体・表面MEMS加工、磁歪薄板表面にナノ凹凸溝加工)した、異相界面部での”微細ドメイン増殖促進の実証”。 (3)非破壊的な新磁歪合金を用いた、”高感度BHN応力センサ”の開発 (4)上記の開発材料を用いた、”環境発電デバイス”の設計・試作、及びその”IoTセンサーシステムでの実証試験。
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Research Products
(6 results)