2018 Fiscal Year Annual Research Report
健全な流砂系の回復によるサステナブル流域総合土砂管理の実証研究
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17H03314
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
赤松 良久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30448584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糠澤 桂 宮崎大学, 工学部, 助教 (20725642)
今村 正裕 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 上席 (50371498)
入江 光輝 宮崎大学, 工学部, 教授 (50451688)
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
新谷 哲也 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (80281244)
土居 秀幸 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 准教授 (80608505)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 総合土砂管理 / ダム通砂 / 生態系モデル / 環境DNA / 河床変動モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度はH29年度に引き続き耳川における水質・濁度環境,生物環境,河床形状のモニタリングを実施するとともに,河川生態系モデルの開発を行った.それぞれの項目の詳細を以下に示す. フィールドモニタリング:2018年9月28~10月2日に台風24号の九州接近・通過に際し,降雨出水予測から規定の流入量があると判断され,九州電力は2ダム(西郷ダムおよび大内原ダム)連携の通砂を実施した.この通砂の前後の2018年6月7~9日および10月22~25日にUAVを用いた土砂動態のモニタリングを実施した.西郷ダム下流では通砂による高水敷への顕著な堆積が見られた.また,通砂の行われてない2017年11月から2018年6月においても出水時の細粒分の堆積によって,河床が上昇している個所も見られた.また,2018年6月,9月,11月に流域内の8地点で採水を行い,環境DNAを用いたアユおよびヒゲナガカワトビケラの現存量の変化を明らかにした. 河川生態系モデルの開発:平水時と出水時を考慮した一次元・二次元ハイブリッド型河川流・河床変動モデルを開発した.また,このモデルをベースとして,河川生物の種ごとの生態的特性を考慮した生態系モデルを開発し,島根県の一級河川である高津川に適用し,十分な再現性があることを確認した.また,高津川における河床掘削が付着藻類,底生動物,魚類の現存量に及ぼす影響を定量的に評価できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はほぼ当初の計画通り,フィールドモニタリングとモデル開発が進められている.一方で,底生動物の環境DNAを用いた調査について課題があり,令和元年度にこの課題を解決する予定である.したがって,本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,令和元年度もフィールドモニタリングおよびモデル開発を継続する.また,完成したモデルを用いて治水安全性と河川環境の健全性を両立する順応的な流域総合土砂管理法について検討する.
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