2018 Fiscal Year Annual Research Report
集団における疾病の罹患・死亡状況の要因分析と介入効果の予測研究
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17H03589
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
片野田 耕太 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (00356263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 憲一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10404740)
伊藤 ゆり 大阪医科大学, 研究支援センター, 准教授 (60585305)
田中 純子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (70155266)
伊森 晋平 広島大学, 理学研究科, 助教 (80747345)
堀 芽久美 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (20735732)
ギルモー スチュアート 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 教授 (20608913)
高橋 秀人 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (80261808)
井上 真奈美 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 部長 (70250248)
祖父江 友孝 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50270674)
東 尚弘 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (10402851)
後藤 励 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 准教授 (10411836)
高橋 宏和 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (70438159)
齋藤 英子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (60738079)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん対策 / 政策評価 / シミュレーション / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、過去のがん罹患率・死亡率の変化に予防、検診、診断、治療がどの程度寄与したか、また集団介入を実施した場合にがんの罹患率・死亡率をどの程度減少させることができるかを明らかにすることである。 昨年度検討したリサーチクエスチョンに基づき、モデル構築およびデータ収集、妥当性の検討を行った。以下の各がん種についての実績を記述する。 【胃がん】胃内視鏡検診の検診間隔および上限年齢・下限年齢を介入シナリオとし、内視鏡検査によるBenefitsとHarmsの双方を加味した上で最適な介入シナリオを、マイクロシミュレーションの手法を用いて解析した。BenefitsとHarmsのバランスの最適化に関する論文を投稿中である。 【大腸がん】大腸がんに関してマイクロシミュレーションシステムの改良を行い、検診(FOBT)に関する上限年齢の設定問題に対応できる形にアップグレードした。Life year gain(利益)と有害事象発生件数(不利益)の関係性について、年齢上限設定毎の変化を検討し、胃がんと同様に最適化に関する論文投稿を進めている。 【肝がん】肝炎・肝細胞癌の病態推移と治療状況に関する数理モデルを構築し、肝炎疫学班等の大規模疫学資料をもとに、2000年以降のB型肝炎・C型肝炎持続感染者数を推定し、先行研究の2011年時点推計値とほぼ同じ値が得られた。本自然史モデルの妥当性について論文化を進めている。 【子宮頸がん】HPVワクチンの日本人集団における効果の推定のために、genotype別感染率のシステマティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。その結果、日本人女性におけるgenotype別HPV感染率を、健常集団、細胞診異常集団、子宮頸がん集団のそれぞれについて推計できた。日本語文献の検討を加えて論文投稿をする方向で進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画において、2年目までに①リサーチクエスチョンの設定、②モデル構築およびデータ収集、③妥当性の検証を計画していた。①はおおむねすべてのがん種について進捗している。胃がん(内視鏡検診)、大腸がん(便潜血検査による検診)、肝細胞癌(自然史)については③までおおむね終了し、胃がんおよび大腸がんについては次のステップである政策シナリオの検討まで進んでいる。肺がんについてはたばこ対策についてWHOグループと共同でモデルを開発し、同じく政策シナリオの検討を進めている。喫煙率のモデルについては、他のたばこ関連がんでも共通に必要となるため、出生年別の喫煙率自然史の出力が可能なSmoking History Generatorの開発を開始した。子宮頸がんについては、ワクチンの効果を調べるための基礎資料となるgenotype別感染率のメタアナリシスを先行して行った。その結果を利用できるように、ワクチンの効果、および細胞診およびDNA検査を用いた検診の効果を調べるためのモデル構築を開始した。前立腺がんについては、PSA検診の集団レベルでの効果を検討するために、臨床進行度別罹患率のトレンド分析を、欠損値補完の手法を用いて行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を踏まえて、胃がんについては除菌の効果および内視鏡検診の経済評価を進める。大腸がんについては、同じく便潜血検診の経済評価を進めるとともに、アスピリンの化学予防の効果が推計可能なモデル構築を進める。肝細胞癌については、今年度までに構築した自然史モデルを用いて、政策シナリオ(現行の肝炎ウィルス検査と直接作用型抗ウィルス薬治療を最大限普及させた場合など)の検討を開始する。肺がんについては、Smoking History Generatorを完成させるとともに、X線および低線量CTのターゲット設定の最適化のためのモデル構築を開始する。子宮頸がんについては、ワクチンの効果推定のためのモデルを完成させ、積極的勧奨再開による効果、あるいはワクチン忌避の影響の推定を行う。前立腺がんについては、PSA検診の影響をより総合的に検討するために、死亡率および生存率トレンドの検討、およびレセプトデータなどを活用したアクティブ・サーベイランスの実態把握を行う。研究計画上、過去の政策効果の検証と将来の政策効果の推定の両方を掲げているが、政策課題への対応を重視する観点から後者を優先して進める。
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Research Products
(83 results)
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[Presentation] Benefits and harms of gastric cancer screening and prevention in Japan: A microsimulation modeling analysis2018
Author(s)
Leung, C.Y., Huang, H.-L., Saito, E., Nomura, S., Katanoda, K., Matsuda, T., Shibuya, K
Organizer
World Cancer Congress, Kuala Lumpur, Malasia
Int'l Joint Research
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[Presentation] Estimation of effects of colorectal cancer screening by Fecal Occult Blood Test for reduction in colorectal cancer mortality based on micro-simulation model2018
Author(s)
Fukui, K., Ito, Y., Kamo, K., Katanoda, K., Nakayama, T.
Organizer
The 40th Annual IACR Conference, Alequipa
Int'l Joint Research
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[Presentation] Distribution and incidence of ovarian cancer by histologic subtypes in Japan2018
Author(s)
Hori, M., Saito, E., Matsuda, T., Shibata, A., Katanoda, K.
Organizer
The 40th Annual IACR Conference, Alequipa
Int'l Joint Research
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[Presentation] CXCL13 and IL-21 Are Potential Biomarkers Associating with HBsAg Loss in Patients with acute or Chronic Hepatitis B2018
Author(s)
Yoshio S, Doi H, Shimagaki T, Sakamoto Y, Kawai H, Osawa Y, Korenaga M, Mita E, Katayama K , Tanaka J, Kanto T
Organizer
AASLD The Liver Meeting 2018,SAN FRANCISCO, USA
Int'l Joint Research
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[Presentation] Genetic variability of HCV among general population in Cambodia2018
Author(s)
Yamamoto C, Nagashima S, Svay S, Hok S, Do SH, Chuon C, Ko K, Fujii H, Katayama K, Takahashi K, Tanaka J
Organizer
25th International Symposium on Hepatitis C virus and Related Viruses(HCV2018), アイルランド, ダブリン
Int'l Joint Research
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[Presentation] A 18-year followed-up cohort study on long term prognosis related to hepatitis virus infection among hemodialysis patients in Hiroshima2018
Author(s)
Ko K, Nagashima S, Yamamoto C, Chuon C, Boburjon M, Jasur J, Sugiyama A, Matsuo J, Katayama K, Takahashi K, Tanaka J
Organizer
APASL(Asian Pacific Association for the Study of the Liver-Single Topic Conference 2018),横浜
Int'l Joint Research
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[Presentation] Sero-prevalence of Hepatitis B surface antigen among 5-7 years old children and their mothers in Cambodia by nationwide multi-stage stratified random sampling strategy2018
Author(s)
Tanaka J, Woodring J, Vichit O, Wasley A, Bunsoth M, Nagashima S, Yamamoto C, Chuon C, Ko K, Hossain MS
Organizer
53rd the international liver congress 2018 (EASL),Paris, France
Int'l Joint Research
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