2019 Fiscal Year Annual Research Report
植物胚発生における細胞間コミュニケーションによる細胞運命制御機構の解明
Project/Area Number |
17H03697
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
栗原 大輔 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (90609439)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物 / 胚発生 / 細胞運命 / 細胞間コミュニケーション / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胚体-胚柄間における細胞間コミュニケーションの解明を目指し、アポプラスティック経路に関わるリガンド-受容体ペアの同定、およびシンプラスティック経路に関わる因子の同定の2研究項目を実施した。 アポプラスティック経路に関わるリガンド-受容体ペアの同定:リガンドとして、今年度はCLEファミリーを全32種についてプロモーター発現マーカーラインを作成し、発現解析を行った。解析が終了した12種類のうち、胚で発現が確認できたCLEは一種類であった。しかし、胚での発現は球状胚期の胚体から発現が始まっており、一細胞期胚といった初期の発現は観察されなかった。 一方、受容体については、受容体候補#16において表現型と#16のT-DNA挿入箇所が一致しなかったため、今年度は原因遺伝子の同定を行った。全ゲノムリシーケンスにより変異箇所の同定を試みたが、顕著な遺伝子への一塩基挿入・欠失は見つけることはできなかった。このことより、変異は数塩基から数十塩基の欠失ではないかと予想される。さらに#16変異体の胚珠を用いてRNA-seq解析を行い、原因遺伝子同定に向けたデータ整備が整った。一方、受容体候補についても掛け合わせによって二重変異体・三重変異体を作成して解析を進めた結果、表現型の割合は低いながらも胚柄から胚体様分裂を示すものも見つかった。 シンプラスティック経路については、シンプラスティック経路を実際にシグナル分子が伝わっているかを解析するために、光顕微操作によって原形質連絡を制御する系の確立を引き続き目指し、HSp::iCals3m植物体の初期胚を用いて原形質連絡の阻害を試みたが、照射条件を定めることができず、頂端細胞、基部細胞あるいは胚柄細胞などへの特異的な阻害には至らなかった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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