2019 Fiscal Year Annual Research Report
General principles underlying spatio-temporal heterogeneity of forest structure
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17H03734
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70578864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日浦 勉 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70250496)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 森林構造 / 二次遷移 / 競争 / 樹冠 / 成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物群落の高さや群落内の高さ構造の空間的・時間的違いを統一的に理解することは植物生態学の重要な課題である。植物の高さ成長は、光をめぐる軍拡競争 であり、高さ成長に伴うベネフィットとコストのバランスによって決まると考えられる。本研究は、生育期間中の日射エネルギーが異なる3つの生態系、熱帯、 暖温帯、冷温帯において、樹木がどのように成長し、森林を形成するかを明らかにすることを目的としている。 3年目である本年度は、冷温帯の苫小牧研究林に12プロット(20m x 20m)において、毎木調査と樹冠計測、光環境計測、ドローンによる樹冠木調査などを行い、冷温帯林における二次遷移に関する詳細なデータを得た。測定した個体は2685個体であり、その全てについて、樹冠形状(上面・下面高さ、4方向の樹冠径)、幹直径を測定した。各森林プロットの光の三次元分布のために、12の各プロットで、プロット内16箇所において、最大22mまでの光の鉛直分布を測定した。光の三次元分布と、樹冠分布を重ね合わせることにより、各個体の光獲得量を算出し、成長速度の違いを、光獲得量と光利用効率に分けて解析することが可能なった。これらの解析から、複数の学術的に高い知見が得られ、学会発表を行い(要旨は発表・公開されたが、学会そのものは新型コロナの影響で中止になってしまった)、また学術論文として執筆中である。 また指導している学生による関連研究(竹林、スギ林における光競争解析、栄養塩分配など)も複数あった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、研究が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
暖温帯と冷温帯のデータは出揃ったので、あとは熱帯域のデータ収集に力を入れていく。マレーシア調査を予定しているが、新型コロナの影響で海外渡航が難しい場合は、屋久島で調査を行う。
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