2017 Fiscal Year Annual Research Report
包括的ビローム解析に基づくウイルス海洋学の創生基盤
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17H03850
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 天士 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80305490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左子 芳彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (60153970)
緒方 博之 京都大学, 化学研究所, 教授 (70291432)
中野 伸一 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (50270723)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋メタゲノム / 海洋ウイルス / 海洋微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋において微生物ウイルスは、宿主の溶菌を通じて有機物の流れを変え物質循環過程に深く関与する。本課題は包括的ウイルスメタゲノム(ビローム)解析法を応用し、微生物ウイルス群集を次の研究により高解像度に解析し、新たな海洋システム理解への基盤を創生することである。本年度の成果は次の通りである。 1)大阪湾湾口部において月に一度ウイルス群集の変動を解析した。10kb以上のコンティグを計6229個を構築した。ウイルス分類ツールViPTreeにより、約80%のコンティグが分類された。得られたコンティグへリードマッピングすることにより、ウイルスの出現パターンを明らかにした。 2)同時に16S rRNA遺伝子アンプリコン解析により本海域における主要原核微生物群集組成を明らかにした。99%塩基配列相同性に基づくOTUをさらに分解し、99の優占微生物個体群を見出した。 3)ネットワーク解析により1)、2)の内、Bacteroidetes門細菌個体群とその感染ウイルスの出現パターンに間に強い相関間関係を示す190の組み合わせを見出した。 4)海洋細菌群集および淡水ラン藻ミクロキスティス群集に対して、メタトランスクリプトーム解析を行い、ウイルスはゲノム性状の差異に関わらず周期性に従った転写動態を示すことを明らかにした。また、環境の淡水ラン藻ミクロキスティスにおいて、ゲノム上にコードされるウイルス感染履歴配列を用いた群集構造解析を行い、ウイルスと相互作用によって多様化することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5000を超える長いウイルスコンティグを構築し、それらの環境動態ならびにそれらと相互作用する宿主微生物の一部を明らかにすることができたため上記の評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
ネットワーク解析により海域で主要なウイルス-宿主系の組み合わせを網羅的に解析する。本解析で明らかとなった組み合わせについて、FISH法を確立しセルソーターに供することによって、予測された感染系が実環境で相互作用していることを実証する。
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[Journal Article] Locality and diel cycling of viral production revealed by a 24 h time course cross-omics analysis in a coastal region of Japan2018
Author(s)
Yoshida Takashi, Nishimura Yosuke, Watai Hiroyasu, Haruki Nana, Morimoto Daichi, Kaneko Hiroto, Honda Takashi, Yamamoto Keigo, Hingamp Pascal, Sako Yoshihiko, Goto Susumu, Ogata Hiroyuki
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Journal Title
The ISME Journal
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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