2019 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス由来ノンコーディングRNAによるフラビウイルス感染制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
17H03910
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
好井 健太朗 長崎大学, 感染症共同研究拠点, 教授 (50421988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 哲也 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (00322842)
小林 進太郎 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (00634205)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フラビウイルス / ノンコーディングRNA / 節足動物 / 人獣共通感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
節足動物が媒介するフラビウイルスは感染細胞においてウイルス遺伝子RNAに由来する長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)を産生し、これが宿主の持つ外来RNAに対する防御応答機構に対して様々な影響を与えることが示唆されているが、その詳細なメカニズムは分かっていない。 前年度までの研究により、ダニ媒介性フラビウイルスであるダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)について、ウイルスゲノムRNAの3’非翻訳領域(3’-UTR)のウイルス由来長鎖lncRNAの産生に関わると推定される領域に変異を導入した。マウスモデルにウイルスを感染させ、病原性を検討した所、変異により病原性の上昇とともに、インターフェロンプロモーター活性の抑制が認められ、lncRNAにより自然免疫応答の制御が行われていることが示された。 さらに、lncRNAと相互作用するマダニ由来因子を同定するため、lncRNAを人工合成し、マダニ細胞の溶解産物を用いてプルダウンアッセイを行った所、13種類の宿主因子が同定された。これらの宿主因子について、2本鎖RNAを合成し、マダニ由来培養細胞に導入してRNAiによるノックアウトを行い、TBEVを感染させて増殖への影響を解析した。その結果、2種類(ATP合成関連蛋白、機能未同定の蛋白)のノックダウンにより、野生型のウイルスでは影響は認められなかったのに対し、変異を導入したウイルスでは増殖性が上昇した。以上の結果より、これらのマダニ因子にはTBEVの増殖を抑制する機能を持っており、ウイルス由来のlncRNAはこの抑制機構に対して抵抗性に働いていて、これが効率的なウイルス増殖に関与することが示唆された。 今後は、このような宿主因子とウイルス由来lncRNAの作用機序の詳細を明らかにすることで、マダニにおける持続感染機序や哺乳動物における病態発現機構の解明につながることが期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(37 results)
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[Presentation] A novel tick-borne flavivirus discovered in Zambia is closely related to Ngoye virus, representing a distinct lineage within the genus Flavivirus.2019
Author(s)
Hayato Harima, Shiho Torii, Yongjin Qiu, Masahiro Kajihara, Yoshiki Eto, Yasuko Orba, Yuki Eshita, Barnard M Hang' ombe, Kentaro Yoshii, Martin Simuunza, Hirofumi Sawa.
Organizer
第67回日本ウイルス学会学術集会
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