2018 Fiscal Year Annual Research Report
筋線維芽細胞に特異的に発現する受容体をターゲットにした、革新的線維化治療法の開発
Project/Area Number |
17H03984
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仲矢 道雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (80464387)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 線維化 / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織における過剰な線維化は、組織を硬くすること等により、各種臓器の機能を大きく低下させる。従って、線維化の制御は、心筋梗塞後の心臓や喫煙による肺線維症、慢性腎不全、さらには脂肪肝等、患者数の多い、実に様々な病気において極めて重要な課題となっている。組織の線維化は、コラーゲン等を産生する筋線維芽細胞という細胞群によって実行される。筋線維芽細胞は、組織が正常な時には存在せず、炎症を契機にして、様々な細胞が分化する事により生じる。 筋線維芽細胞研究のボトルネックの一つとして、厳密な意味での筋線維芽細胞特異的なマーカー受容体が未だ同定されていないことであることが挙げられる。私たちは、そのようなマーカー受容体を探索し、ある受容体が筋線維芽細胞の特異的マーカー蛋白質となりうる可能性を見出した。 昨年度までに、この受容体のノックアウトマウスを作成し、そのマウスに対して心臓の線維化誘導処置を施した所、野生型マウスに比べ、線維化の程度が有意に改善すること、さらには、線維化によって低下する臓器の機能低下がノックアウトマウスにおいて有意に軽減していることを見出した。 そこで本年度は、この受容体のノックアウトマウスの肝臓において線維化誘導処置を施した。その結果、肝臓においても線維化因子の発現が野生型マウスの場合に比して減少することを見出した。一方で、この受容体の遺伝子発現誘導メカニズムは未だ明らかになっていない。そこで、このメカニズムに関して検討をすすめ、受容体の発現を制御するいくつかの転写因子を同定することができた。また、この受容体に対する抗体を作製するため、受容体を安定過剰発現する細胞を樹立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した計画をほぼ全て終わらせることができたため、おおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画書に記載した通り、着目する受容体が心臓や肝臓以外の臓器においても、筋線維芽細胞の特異的マーカー蛋白質にもなりうるか、さらには、線維化に関与するかを明らかにする。また、着目する受容体に対する抗体の取得を目指す。
|
Research Products
(13 results)
-
-
[Journal Article] The MAPK Erk5 is necessary for proper 1 skeletogenesis through a molecular axis that involves Smurfs-Smads-Sox92018
Author(s)
Takashi Iezaki, Kazuya Fukasawa, Tetsuhiro Horie, Gyujin Park, Samuel Robinson, Michio Nakaya, Hiroyuki Fujita, Yuki Onishi, Kakeru Ozaki, Takashi Kanayama, Manami Hiraiwa, Yuka Kitaguchi, Katsuyuki Kaneda, Yukio Yoneda, Takashi Takarada, X. Edward Guo, Hitoshi Kurose, and Eiichi Hinoi
-
Journal Title
Development
Volume: 145(14)
Pages: dev.164004
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
[Journal Article] Complex formation between the vasopressin 1b receptor, β-arrestin-2, and the μ-opioid receptor underlies morphine tolerance2018
Author(s)
Taka-aki Koshimizu, Kenji Honda, Sachi Nagaoka-Uozumi, Atsuhiko Ichimura, Ikuo Kimura, Michio Nakaya, Nobuya Sakai, Katsushi Shibata, Kentarou Ushijima, Akio Fujimura, Akira Hirasawa, Hitoshi Kurose, Gozoh Tsujimoto, Akito Tanoue & Yukio Takano
-
Journal Title
Nat. Neurosci.
Volume: 21(6)
Pages: 820-833
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-