2018 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見したCRH放出経路の生理的意義の解明および既知HPA軸との関係について
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17H04025
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 摂食 / 室傍核 / HPA Axis / CRH / 弓状核 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.AgRP細胞の選択的刺激によるCRH細胞の解析:当初AgRP-mCitrine-DREADD/CRH-GCaMP3マウスを使用予定であったが、このマウスではAgRPニューロンとCRHニューロンの両方でDREADDおよびGCaMP3が発現するため、AAVを用いる方法に変更した。 2.インビボでのAgRP細胞選択的刺激によるCRH細胞応答の解析:AgRP Cre::DREADDマウスを作成し、CNO投与によりAgRPニューロンが活性化されることをc-fosの発現により確認した。血中コルチコステロン(CORT)も増加し、CRH分泌促進を確認した。さらにAgRP Cre/Cre -mCitrine-DREADDマウスとGAD67flox/floxマウスを交配し、AgRPCre/+-mCitrine-DREADD /GAD67flox/+を作製した。CRHCre/Cre-GCaMP3と交配させるためNKCC1flox/floxマウスをHubner博士から入手繁殖した。 3.飢餓ストレスで惹起されるHPA軸の拘束ストレスとの相違性の証明:60%食餌制限を10日間行うとAgRPニューロンでc-fosが発現し、CORTも上昇した。しかしCRHニューロン細胞体ではc-fosは発現せず、細胞体は活性化されないことを確認した。一方、30分間の拘束ストレスではCRHニューロン細胞体でc-fosが発現することを確認した。 4.胎仔における既知HPA軸と新規HPA軸の機能的発達過程の解明:CRHニューロンの正中隆起への投射は胎生15.5日から認められるが、CRHニューロン終末へのGABAニューロンの投射は認められず、CRHニューロン細胞体へのGABA投射のみで、終末での興奮性制御がまだない可能性が示唆された。NKCC1の発現は細胞体ではどの週齢でもみられず、正中隆起で生後7日目より認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではAgRP-mCitrine-DREADD/CRH-GCaMP3マウスを使用する予定であったが、このマウスではAgRPニューロンとCRHニューロンの両方でDREADDおよびGCaMP3が発現してしまうため、室傍核にCre依存性にGCaMP6fを発現するAAV、弓状核にDREADDを発現するAAVをそれぞれインジェクションする方法に変更した(AAVはAddgene社より購入済)。さらに、入手繁殖中のNKCC1flox/floxマウスをCRH Cre::GCaMP3マウスと交配させ、CRHニューロンでGCaMP3を発現し、NKCC1が欠失したCRH Cre::GCaMP3::NKCC1 floxマウスを作成中である。 以上からおおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.AgRP細胞からCRH細胞終末へGABA作動性興奮性投射の証明:CRH Cre :: AgRP CreマウスのPVNにCre依存性にGCaMP6fを発現するAAVを、ARCにDREADDを発現するAAVをそれぞれインジェクションし、CRHニューロンにGCaMP6f、AgRPニューロンにDREADDを発現させる。スライス標本を作成し、CNO投与によりCRHニューロン終末で細胞内Ca2+上昇がみられるが細胞体では見られないことを証明する。さらに、CRHニューロン終末ではAgRPニューロンの投射がみられることを正中隆起の免疫組織染色を行い確認する。CRHニューロンでNKCC1を欠失させたCRH Cre :: NKCC1 floxマウスを作成し、CRHニューロン終末へのGABA入力による興奮を減弱した場合の、CRHニューロン終末での細胞内Ca2+上昇の減弱を確認する。また、CRHニューロンでAgRP受容体およびNeuropeptide Y受容体の発現の有無も確認し、CRH Cre :: GCaMP3マウスCRH細胞終末にAgRPおよびNeuropeptide Yを作用させても細胞内Ca2+上昇が見られないことも確認する。 2.AgRP細胞からCRH細胞終末へGABA作動性興奮性投射の生理学的意義の検討:AgRP Cre :: GAD67 floxマウス、およびCRH Cre :: NKCC1 floxマウスをを用いて、60%食餌制限ストレス(もしくは拘束ストレス)を10日間負荷後のCORT分泌の変化とc-fosの発現部位を確認する。 3.胎仔における既知HPA軸と新規HPA軸の機能的発達過程の解明: CRH抗体とVGAT抗体を用いて正中隆起へのCRH投射とGABA投射の完成時期を確認し、さらにCRHニューロンでのKCC2およびNKCC1の発現時期を確認する。
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Research Products
(31 results)
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[Presentation] De novo mutants of CaMKIIα/β responsible for neurodevelopmental disorders upregulate A-type voltage-dependent K+ currents in hippocampal neurons.2018
Author(s)
Akita T, Aoto K, Kato M, Shiina M, Mutoh H, Nakashima M, Kuki I, Okazaki S, Magara S, Shiihara T, Yokochi K, Aiba K, Tohyama J, Ohba C, Miyatake S, Miyake N, Ogata K, Fukuda A, Matsumoto N, Saitsu H.
Organizer
第41回日本神経科学大会
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