2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of physiological significance of newly discovered CRH release pathway and its relationship with known HPA axis
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17H04025
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 摂食 / 室傍核 / HPA Axis / CRH / 弓状核 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.AgRP細胞からCRH細胞終末へGABA作動性興奮性投射の証明:CRH Cre :: AgRP CreマウスのPVNにCre依存性にGCaMP6fを発現するAAVを、ARCにDREADDを発現するAAVをそれぞれインジェクションし、CRHニューロンにGCaMP6f、AgRPニューロンにDREADDを発現するマウスを作成した。弓状核スライス標本を作成しパッチクランプを行い、CNO投与によりシナプス伝達を遮断したAgRPニューロン細胞体で興奮が起こることを確認した。しかし、AgRPニューロン同士のネットワークにより、広範な投与では興奮が起こりにくいことも分かった。したがってインビボでのCNOの効果判定には注意が必要である。さらに、CRHニューロン終末ではAgRPニューロンの投射がみられることを正中隆起の免疫組織染色を行い確認したが、AgRPは正中隆起末では多くなかった。 2.AgRP細胞からCRH細胞終末へGABA作動性興奮性投射の生理学的意義の検討:AgRP Cre :: GAD67 floxマウス、およびCRHニューロンでNKCC1を欠失させたCRH Cre :: NKCC1 floxマウスを作成した。 3.胎仔における既知HPA軸と新規HPA軸の機能的発達過程の解明: CRH抗体とVGAT抗体を用いて胎仔―出生直後―新生仔期の正中隆起におけるCRH投射とGABA投射の有無を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CNO投与によりAgRPニューロン細胞体で興奮が起こることを確認したが、広範な投与では興奮が起こりにくいことも分かったので、今後インビボでのCNOの効果判定には注意が必要である。 CRHニューロン終末へのAgRPニューロンの投射があることは確認できたが、AgRPは軸索終末までは至っていない印象であった。AgRPニューロンの伝達物質はGABAと考えているので矛盾はないが、今後は電顕を用いてで両ニューロンの軸索終末でのコンタクトを証明する必要がある。 AgRP ニューロンでGABAを減少させたAgRP Cre :: GAD67 floxマウス、CRHニューロンでNKCC1を欠失させたCRH Cre :: NKCC1 floxマウスを作成したので、今後は、60%食餌制限ストレスを10日間負荷した後のCORT分泌を野生型と比較することができる。 胎仔―新生仔期の正中隆起におけるCRH投射とGABA投射の完成時期を同定するために例数を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.AgRP細胞からCRH細胞終末へGABA作動性興奮性投射の証明:CRHニューロン終末にAgRPニューロンの投射がみられることを正中隆起の免疫電子顕微鏡で証明する。CRH-GCaMP6f::AgRP-DREADDマウスを用い、スライス標本を作成し、CNO投与によりCRHニューロン終末で細胞内Ca2+上昇がみられることを証明する。 2.インビボでのAgRP細胞選択的刺激によるCRH細胞応答の解析:AgRP Cre::DREADDマウスを用い、CNO投与によりCRHニューロン細胞体が活性化されないことをc-fosの発現により確認する。もし、発現が見られた場合はAgRPニューロンでのc-fosの発現割合を60%食餌制限を10日間行った場合と比較し、AgRPニューロンのうち、食餌制限に反応する割合を明らかにする。さらに、DiIを用いたtracing法によりそれらが正中隆起に投射していることを証明する。 3.AgRP細胞からCRH細胞終末へGABA作動性興奮性投射の生理学的意義の検討:CRH Cre :: NKCC1 floxマウスを用いて、CRHニューロン終末へのGABA入力による興奮を減弱した場合の、CRHニューロン終末での細胞内Ca2+上昇の減弱を確認する。さらに、AgRP Cre :: GAD67 floxマウスないしCRH Cre :: NKCC1 floxマウスを用いて、60%食餌制限ストレスを10日間負荷後のCORT分泌が野生型より低下することを証明する。 4.胎仔における既知HPA軸と新規HPA軸の機能的発達過程の解明: CRH抗体とVGAT抗体を用いて正中隆起へのCRH投射とGABA投射の完成時期を確認し、さらに室傍核CRHニューロンでのKCC2およびNKCC1の発現時期を確認する。
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Research Products
(35 results)