2017 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌潜伏感染カニクイザルによる結核発症機構の解明と発症阻止ワクチンの開発
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17H04079
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
保富 康宏 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, センター長 (90281724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 祐佑 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 研究員 (30512404)
山本 拓也 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, サブプロジェクトリーダー (60752368)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 結核 / ワクチン / 組み換えウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトパラインフルエンザ2型ウイルス (HPIV2) に、結核菌の潜伏感染時に発現するMDP1と既知のワクチン効果があるESAT-6の2種類の結核抗原 (以後EM1) を組み込んだリコンビナントHPIV2-EM1 (rHPIV2-EM1)を開発した。このrHPIV2-EM1とAg85Bを組み込んだrHPIV2-Ag85Bをカニクイザルに経鼻投与したところ、抗原特異的な免疫反応が末梢血単核球ならびに肺胞洗浄液中細胞において認められた。また、これら免疫カニクイザルに強病原性結核菌(Mycobacterium tuberculosis, Erdman strain)を肺内に攻撃接種したところ、非免疫群並びにベクター免疫群に対し優位に、肺、脾臓、肝臓、腎臓において結核員を抑制していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組み換えウイルスについては当初の予定通り作製でき、それに加え新たなベクターも作製された。さらにこれらを用いてカニクイザルにおいて結核感染の予防効果を見たところ、優位になワクチン効果が得られた。さらに免疫反応の解析においても抗原特異的な免疫反応が末梢血単核球および肺胞洗浄液細胞において認められた。免疫ルートは経鼻と経気道の両者で行っており、どちらが有力なワクチン投与ルートであるかは再検討を行っている。また、BCG投与の影響も検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
BCG投与カニクイザルにおいて、投与回数、投与量、投与ルートの検討を行い、BCGのワクチン効果に相乗作用をもたらせる手法を確立する。また、未だ結論の出ていない、粘膜ワクチンにおける結核菌に対する効果細胞を同定し、有効なワクチンの手法を検討する。さらに結核菌感染で非発症の個体に関して発症予防効果を示すことが出来るかを検討する。
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