2017 Fiscal Year Annual Research Report
国際コンソーシアムを活用した日本発の痛風の分子疫学研究による予防医学への応用
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17H04128
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
松尾 洋孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 准教授 (00528292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
中村 好宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 進学課程, 准教授 (60415255)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 痛風 / 高尿酸血症 / 尿酸トランスポーター / 遺伝子 / 国際コンソーシアム / 予防医学 / 個別化医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「臨床診断された痛風のGWAS(ゲノムワイド関連解析)」の2次解析として、約2000SNPを対象としたカスタムSNPアレイによる再現解析等を実施し、新規病型分類を含むサブタイプ解析などを詳細に実施した。これによりこれまでに複数の痛風の新規遺伝子座を含めて合計10個の遺伝子座を同定できた(Nakayama et al, Ann Rheum Dis, 2017)。痛風のGWASによる研究成果としても世界最大規模の成果となった。また、上記の解析等で見いだされた痛風遺伝子座の領域について次世代シークエンサーによる探索(target sequencing)を実施し、ABCG2のrare variantがcommon variantと同様に痛風の発症に強く関連することが分かった(Higashino et al, RMD Open, 2017)。さらに、カスタムSNPアレイを活用して痛風と高尿酸血症の比較のGWASも実施して、新たな視点からの痛風の遺伝子座の同定を目指している。これらを通じて新たな関連遺伝子の同定を目指すとともに、その後のin vitroでの分子機能解析のための準備を行った。 2. AsiaGout (N=6,000)の創設と日本がリードする国際共同研究の推進を目指した。現時点で、痛風・尿酸研究は日本が世界をリードしているが、ヨーロッパにおいては、EuroGoutのGWASプロジェクトが開始されており、アジアにおいても同等規模以上の痛風の国際共同研究体制の確立が望まれる。そのため、申請者らは、日本のほか、中国や台湾などのアジアの痛風研究者と連携して「AsiaGout」(痛風のアジア国際コンソーシアム)の創設を進めた。すでにアジアの研究者とも年1回以上の会合を行う体制となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年1月、これまでの解析結果を評価したところ、既存の臨床サンプルではなく、新たに、更なる臨床情報が付加された追加の臨床サンプルを収集し、その上で解析をすることが本研究を実施する上で必要であることがわかった。そこで、予算の繰越延長を申請し、追加サンプルの解析を進めてきた。その後は、他の追加研究の想定以上の進展もあり、今年前半には進捗状況は改善して予定通り以上の進捗になる見込みである。特に、【今後の研究の推進方策】に記載するように、アジアの国際コンソーシアムについても進展が見られ、また、それに伴い複数の成果が上がってきており、それぞれの論文化が期待できる状況になった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.痛風のGWASの続報(Nakayama et al, Ann Rheum Dis, 2017)のほか、次世代シークエンサーによるtarget sequencingを実施によるABCG2のrare variantに関する論文(Higashino et al, RMD Open, 2017)を本研究期間中に出すことができたが、さらに以下に示す複数の論文発表のための準備を次年度以降に推進する。特に、痛風と高尿酸血症の比較のGWASについても初めて実施して、複数の痛風の遺伝子座を同定することができているので、その論文化を急ぎ進めていく(Kawamura et al, 投稿準備中)。また、次世代シークエンサーによるtarget sequencingとIn vitroの機能解析を併用した詳細な解析の実施により、新たな尿酸トランスポーター遺伝子について痛風との関連を示し、さらにその生理学的機能を日本発で証明できたのでその論文化も急ぐ(Higashino et al, 投稿準備中)。 2. 尿酸値のGWAS(合計12万人以上)についても、新規遺伝子座の同定を目指しているが、世界最大規模の成果となることが見込まれており、その解析も進めていく(Nakatochi et al, 投稿準備中)。 3. AsiaGoutの創設と日本がリードする国際共同研究の推進を行い、アジアの研究者とも年1回以上の会合を行う体制となった。また、アジアを含むより大きな国際コンソーシアム(APGC; Asia Pacific Gout Consortium)の設立の動きもあり、日本も中心の1つとなって共同研究が進展するように、申請者がAPGCにおいてもVice Presidentに就任して、国際共同研究の調整を推進している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A common variant of MAF/c-MAF, transcriptional factor gene in the kidney, is associated with gout susceptibility.2018
Author(s)
Higashino T, Matsuo H, Okada Y, Nakashima H, Shimizu S, Sakiyama M, Tadokoro S, Nakayama A, Kawaguchi M, Komatsu M, Hishida A, Nakatochi M, Ooyama H, Imaki J, Shinomiya N.
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Journal Title
Hum Cell.
Volume: 31
Pages: 10-13
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Independent effects of ADH1B and ALDH2 common dysfunctional variants on gout risk.2017
Author(s)
Sakiyama M, Matsuo H, Akashi A, Shimizu S, Higashino T, Kawaguchi M, Nakayama A, Naito M, Kawai S, Nakashima H, Sakurai Y, Ichida K, Shimizu T, Ooyama H, Shinomiya N.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 7
Pages: 2500
DOI
Open Access
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[Journal Article] Multiple common and rare variants of ABCG2 cause gout.2017
Author(s)
Higashino T, Takada T, Nakaoka H, Toyoda Y, Stiburkova B, Miyata H, Ikebuchi Y, Nakashima H, Shimizu S, Kawaguchi M, Sakiyama M, Nakayama A, Akashi A, Tanahashi Y, Kawamura Y, Nakamura T, Wakai K, Okada R, Yamamoto K, Hosomichi K, Hosoya T,?Ichida K, Ooyama H, Suzuki H, Inoue I, Merriman TR, Shinomiya N, Matsuo H.
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Journal Title
RMD Open.
Volume: 3
Pages: e000464
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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