2019 Fiscal Year Annual Research Report
がん悪液質による食欲不振・倦怠感に対する薬物療法の複合的研究
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17H04149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 彰 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70361087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 緩和医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの進展に伴い増悪する悪液質によって生じる食欲不振・倦怠感への薬物療法については、現在に至るまでも信頼に足るエビデンスが乏しい状況が続いており、経験的にステロイドが広く用いられているものの、本研究課題のような前向き研究による質の高いエビデンスが求められている。 本研究では、平成29年度目標にした「異なる用法用量のステロイド療法を比較する前向き介入研究の実施」について、予定どおり研究計画書の作成と各施設における倫理委員会承認を経て、過去に進行肺がん研究領域で豊富な実績のある多施設共同研究グループによる臨床試験が開始され、現在も症例集積中である。集積に遅れは生じているが、今年度中の目標症例数到達を目指し、データ解析後には各種学会での報告を経て論文化を目指す。 他方、食欲不振・倦怠感に悩む進行がん患者において「食べられなくなるまでの期間」「歩けなくなるまでの期間」「話せなくなるまでの期間」を予測できることは、患者の現状に即した適切な緩和ケアを提供するうえで非常に重要である。申請者らが中心的に関わった緩和ケア病棟入院中の進行がん患者を対象した大規模レジストリ研究において、1600名を超える患者を対象に上記予測因子の解析が行われた。その結果、「食べられなくなる期間」の予測に重要な7因子とそれらをスコア化したFunctional Palliative Prognostic Indexが得られ、学会および論文報告に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前向き臨床研究はコロナウィルス感染拡大の影響もあり進捗が遅れているが、完遂に向けて最大限の努力を行っている。既に症例集積が終了したレジストリ研究では、さらなる追加解析を予定している。患者遺族への調査研究も進捗はやや遅れているが、挽回は十分可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
前向き臨床研究については、引き続き多施設共同研究グループへの呼びかけを積極的に行い順調な症例登録を目指す。レジストリ研究のデータを用いた解析は、当初予定していた内容に追加した解析を予定しており、その内容の学会発表、論文化を目指す。患者遺族への調査研究については主担当者の宮下教授との連携を密にし、早めの研究計画立案と研究遂行を目指す。
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Research Products
(7 results)