2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規再生促進因子に着目した肝硬変に対するエクソソーム医療の創生
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17H04166
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 教授 (80193548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 聡英 東海大学, 医学部, 准教授 (30321904)
住吉 秀明 東海大学, 医学部, 講師 (60343357)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝臓学 / 再生医学 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝硬変に対するエクソソーム医療の創生に向けた分子細胞基盤を確立するため、研究3年目となる2019年度はこれまでの研究により明らかとなった肝傷害に伴う血球細胞からのエクソソーム内包OGFRL1の分泌と肝細胞への取込み所見に基づき、エクソソーム搭載OGFRL1が胎仔期肝前駆細胞ならびに成熟肝細胞に対していかなる影響を及ぼすかをin vitroの系で検証し、以下の所見を得た。 1)四塩化炭素の単回投与後24時間のマウス末梢血中のエクソソームを回収し、サイズ排除カラム法を用いてfractionationを行った上で、ウェスタンブロット解析によりOGFRL1を多量に含む分画を同定した。また、任意の蛋白質を内包したエクソソームを効率よく細胞から分泌させるXPackベクター・システムを用いてOGFRL搭載エクソソームを産生する発現プラスミドを作製し、これをHEK293細胞にトランスフェクションした。その培養上清からエクソソームを回収し、上記と同様にOGFRL1を多量に含む分画を同定した。 2)これらのOGFRL1搭載エクソソームをE13.5の胎仔期肝前駆細胞の培養上清に添加したところ、肝細胞への分化誘導下で肝細胞特異的なHNF4αならびにCyp2f2遺伝子の発現が対照群に比して亢進し、OGFRL1による成熟分化の促進が示された。また、成体マウスより肝実質細胞を分離し、OGFRL1搭載エクソソームを培養上清に添加するとBudUの取り込み増加が認められたことから、OGFRL1は肝細胞の増殖に対しても促進効果を有すること明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エクソソーム内包OGFRL1が胎仔期肝前駆細胞の成熟分化や成熟肝実質細胞の増殖を促すことをin vitroの系で検証し、最終年度(次年度)に予定されている実験的肝線維症に対するOGFRL1内包エクソソームの投与実験に向けての理論的基盤を構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度には以下の実験を行い、実験的肝線維症に対するOGFRL1内包エクソソームの投与効果をin vivoの系で検証する。 1)マウスに四塩化炭素を反復投与して肝線維症を誘導する。この際の内因性OGFRL1の発現動態を、末梢血単核球と線維肝組織を用いた定量PCRと、末梢血エクソソームのウェスタンブロット解析により経時的に検討する。 2)この肝線維症モデルマウスに、四塩化炭素の単回投与24時間後のマウス末梢血、もしくはOGFRL1の遺伝子導入を行ったHEK293細胞の培養上清から回収したOGFRL1搭載エクソソームを投与する。肝線維化の改善効果をSirius red染色と線維化関連遺伝子の定量PCRで、また線維肝の再生に及ぼす影響を肝前駆細胞の誘導とBrdUの取り込みにより明らかにする。
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Research Products
(17 results)