2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17H04171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤生 克仁 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30422306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞鍋 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70359628)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臓器間連携 / マクロファージ / 心臓 / 心不全 / 不整脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、これまでに明らかにしてきた心臓・脳・腎臓の臓器間連携によって心臓の恒常維持がなされているということに立脚し、さらにそれぞれの臓器がほかの臓器と連携している詳細を検討することを目的としている。心臓マクロファージが発現するアンフィレグリンがどのように分泌され、分泌されたアンフィレグリンは心筋細胞にどのように働くかについて検討を行い、新たな知見を得ることができた。さらに、心臓と脳がどのように連携しているかその求心路について、主に動物実験を行い、新たな知見を得ることに成功した。さらに、これまで心臓からの脳への求心性の刺激が腎臓を始めとする末梢臓器にどのように伝わるのかについては詳細な機序は不明であったが、今回動物実験によって新たな経路を同定することが出来た。また、これまで心臓→脳→腎臓→心臓という経路を中心に解析をしてきたが、さらに腎臓以外の臓器として臓器Xを同定することが出来た。心臓への刺激は脳を介して臓器Xに入り、臓器X内でのストレス応答によって、最終的に心臓に影響を与えていることを見出した。さらに、この臓器X内でのストレス応答に必須な因子として因子Yを同定した。因子Yは心臓ストレスに臓器間連携を介した心臓恒常性維持機構に必須であり、現在因子Yのコンディショナルノックアウトマウスを作成して、解析を行っている。予備的結果として、因子Yのコンディショナルノックアウトマウスは心臓へのストレス時にその正常なストレス応答が低下しているという予備的結果を得ている。最終年度ではこの結果の知財取得、論文作成を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた心臓・脳・腎臓の臓器間連携に加えて、新しい臓器の関与を同定し得た。この部分については、コンディショナルノックアウトマウスの作出および解析にまで到達し得た。来年度論文作成に至るという当初のタイムスケジュールに合致した経過であるため、おおむね順調に進展していると記載した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに当初も目的に対する探索的研究からその仮説を証明するための動物モデルの作成とその結果の入手までの段階に到達し得た。本年度はその結果を集約し、論文化することが推進の方策とする。さらに、心臓・脳・腎臓間の臓器間連携については、新しい神経に対する介入システムを本年度構築した。今後はこの新しい系の作動確認を行い、in vitro、in vivoで臓器間連携に対する介入実験を行い、新たに見出したこの3臓器間の連携を司る経路に関係する細胞の消去実験を行い。臓器間連携において必須である新たな細胞群の同定に挑戦する。同定した細胞群の遺伝子発現を網羅的遺伝子発現解析、網羅的エピゲノム解析を行うことによって、その同定した細胞群のうち、どのようなエピゲノム変化、どのような遺伝子がその細胞群の臓器間連携に対する作用を司っているか検討する。その因子(分泌タンパクあるいは転写因子を想定)のノックアウトマウスあるいは中和抗体を用いて機能解析をin vivoで行う。
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