2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the role of mesenchymal stem cell marker Meflin in glomerulonephritis
Project/Area Number |
17H04186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 篤 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20432255)
秋山 真一 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (20500010)
坪井 直毅 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50566958)
勝野 敬之 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60642337)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Meflin / 間葉系幹細胞 / 腎臓病 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(Mesenchimal Stem/Stromal Cell; MSC)を用いた細胞治療が世界中で進められているなか、我々は治療効果の高い脂肪由来MSCの新規培養法を開発し(特許第5240715号)、臨床試験へ向け準備中である。また我々ははMSCを規定する分子マーカーを探索する中で、MSCに特異的に発現する分子Meflin(特願2015-153712)に辿り着いた。 本課題ではMeflinに着目し糸球体腎炎発症時のMSCの病態を解明し新規治療開発につなげることを目的とし、①腎炎発症時の骨髄、脂肪、腎臓に存在するMeflin陽性細胞の体内での動きと機能の解明、②Meflinを制御することによりMSCの機能を高める方法の同定、③実際にMeflinを介した治療法の開発を行う。 まずは、正常腎あるいは腎炎を惹起した腎臓におけるMeflinの発現量と局在を検討している。in situ hybridization法を用いてMeflinのmRNAの発現を検討したところ、正常腎でもMeflinは発現するが、各種腎炎モデルを惹起するとMeflin陽性細胞の局在と発現量が変化することを見出した。 また腎臓におけるMeflinの働きにつき、作成したMeflinノックアウトマウスを用いて検討している。ノックアウトマウス並びに野生型マウスにそれぞれ各種腎炎を惹起して、腎炎の進展具合や予後などの比較を組織学的ならびに定量的に評価している。 より明確に腎臓におけるMeflinの発現を確認するために、Meflin発現レポーターマウス(tdTomato)を作成し、更にはMeflin陽性細胞を特異的にdeletionできる遺伝子改変マウスを作成した。これらのマウスを用いて、腎炎における更なるMeflinの役割を解明し、Meflinを用いた腎炎治療の開発を行って行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常腎あるいは腎炎をおこした病気腎におけるMeflinの発現量と局在を検討している。in situ hybridization法を用いてMeflinのmRNAの発現を検討したところ、正常腎でもMeflinは発現するが、各種腎疾患モデルを惹起すると炎症部位においてMeflin陽性細胞の発現が上昇していることを見出した。正常状態においてもMeflinの発現は間質や糸球体門部に見られるが、炎症をおこした後は糸球体周囲にもMeflinの発現が上昇していることを確認している。また作成したMeflinノックアウトマウスと野生型マウスを用いて、両群における腎炎の進行速度や予後などの検討を行っている。 更なるMeflinの役割を解明するためにMeflin発現レポーターマウス(tdTomato)とMeflin陽性細胞を選択的にdeletionできる遺伝子改変マウスを作成した。これまでに、Meflin陽性細胞がTomatoで強烈に光るマウスの作成に成功している。今後、これらマウスに腎疾患モデルを惹起して、Meflinの発現を明らかにする予定であるが、遺伝子改変マウスの出生数が少なく、研究に必要な動物数を確保する事が困難であり、予想通り実験計画が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
MeflinノックアウトマウスとMeflinレポーターマウスを用いて糸球体腎炎の炎症・再生・治癒・線維化過程におけるMeflin陽性細胞およびMeflin自体の役割を明らかにする。引き続きMeflinノックアウトマウスに各種腎疾患モデルを惹起し、野生型マウスとの比較検討する実験は進めて行く予定である。このMeflinノックアウトマウスの腎臓より各種細胞を単離し、炎症・再生にどのように関与しているかを細胞レベルでも解析していく。 ここまでの実験において、Meflinが糸球体門部に発現することが確認できているので、同じく糸球体門部に特異的に発現しているレニンなどとの関与も追及していく予定である。 また新たにMeflin発現レポーターマウスを用いて、Meflin陽性細胞の正常における局在を明らかにする。その局在を確認した後に、最も適した腎炎モデルを作成し、同様の手法を用いて腎疾患におけるMeflin陽性細胞の動向を明らかにする予定である。このマウスを用いてMeflin陽性細胞をTomatoにより選択的に抽出し、フローサイトメトリー法にて解析する事も検討している。更にはMeflin陽性細胞を選択的に消去することのできる遺伝子改変マウスを用いてMeflin陽性細胞の意義を解明していく。
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