2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Zika fever- and AIDS-peptide vaccine using next generation chip, T-ISAAC
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17H04219
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 特別研究教授 (20174287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (60186210)
小澤 龍彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
小林 栄治 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (70459733)
宇高 恵子 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (40263066)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 感染症治療学 / ペプチドワクチン / チップ技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】平成29年度に確立したT-ISAAC法を用いてEBVペプチド特異的T細胞を検出し、TCRの特異性と機能評価を行った。具体的には、HLA-A24拘束性のEBウイルス由来BRLF-1、EBNA3A、及びHLA-A02拘束性のEBウイルス由来BMLF-1に対して特異的なTCRの存在を確認しているボランティアより末梢血リンパ球を単離し、CD8+Tリンパ球に濃縮し、リンパ球チップに播種してペプチドと4~6時間共培養し、分泌されたインターフェロン-γを検出した。刺激時間、ペプチド濃度などを検討し、検出のための至適条件を決定した。さらに、これら検出した細胞が確かにペプチドに応答しているかを検証するために、検出できた細胞を1つずつ回収し、得られたTCR遺伝子の機能評価を行った。HLA-A24及びA02陽性の健常人ボランティアより各1名以上、抗原として合計3種類以上で行った。
【2】TCRの機能評価として種々の細胞株を用いた方法が考えられるが、MHC/ペプチドテトラマーによるFACS解析が最も簡易的である。しかしながら、MHC/ペプチドテトラマーは従来法では大腸菌で作製しているため、研究室レベルでは困難であった。そこで、我々が以前までに哺乳類細胞株にて作製に成功した膜型の1本鎖MHC/ペプチド(SCT: single chain trimer)を可溶化型として発現させ、更にテトラマー化する方法を開発した。モデルとして、EBウイルスの抗原BRLF1ペプチドのSCTを作製してテトラマー化し、既に我々がクローニングしたBRLF1特異的TCRを発現させたT細胞と結合するかどうかを実証した。研究室レベルで、1週間程度で安価(10万円程度)で大量(10 mg以上)のMHC/ペプチドテトラマーを作成できる方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度および平成30年度の研究期間に、以下の研究成果を得ている。研究成果は各年度の研究計画に鑑み、「おおむね順調に進展している」と自己評価した。 【1】MHC/ペプチド特異的なTリンパ球をリンパ球チップで検出するために 、チップ内のTリンパ球をMHC/ペプチドで刺激し、刺激されたTリンパ球が産生するサイトカインを検出する新システム(T-ISAAC)を開発した。具体的には、H-2Kb MHC class IとOVAペプチド特異的TCRおよびH-2Db MHC クラスⅠとH-Y 抗原特異的TCRを用いて実験を行った。 【2】これまでは、α鎖とβ鎖の両方が増幅できる効率は、回収した単一T細胞の60%程度だったが、RT及びPCRの条件、用いるプライマー等を見直し、90%以上の単一T細胞より、α鎖とβ鎖の両方が増幅できる条件を確立した。 【3】T-ISAACの開発に際し、単離したTCRの機能解析を簡素化するために、TAP法を応用した機能解析の改良を行った。本改良により、TCRの機能解析を10日間から4日間に短縮することが可能となった。 【4】T-ISAACを用いて、HLA-A24拘束性のEBウイルス由来ペプチド及びHLA-A02拘束性のEBウイルス由来ペプチドに対して特異的なTCRを有するボランティアの末梢血CD8+Tリンパ球を、リンパ球チップに播種してペプチドで刺激し、分泌されたインターフェロン-γを検出し、細胞を1つずつ回収し、得られたTCR遺伝子の機能評価を行った。 【5】TCRの機能評価では、MHC/ペプチドテトラマーによるFACS解析が最も簡易的である。今回、哺乳類細胞株を用いて、膜型の1本鎖MHC/ペプチド(SCT)を可溶化型として発現させ、更にテトラマー化する方法を開発した。研究室レベルで、1週間程度で安価で大量のMHC/ペプチドテトラマーを作成できる方法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は以下の研究を推進する。 【1】T-ISAAC法の最適化: 我々は、T-ISAAC法の開発過程において、リンパ球チップ上でのペプチド刺激後の特異的T細胞の検出にIFN-γを用いていた。しかしながら、低頻度のペプチド特異的T細胞をより高感度に検出するために、シグナル/ノイズ比がより高く、低頻度の抗原特異的T細胞を効率よく検出できるサイトカイン等を検索する必要が生じてきた。そこで、平成31年度研究計画では、IFN-γ以外のサイトカイン(IL-2、TNF-α等)を産生する抗原特異的T細胞の検出およびそれらTCRのクローニングを行い、検出効率およびTCR親和性をIFN-γを指標に取得したTCRと比較評価する。モデル抗原としてEBウイルス抗原に反応するT細胞を持つ健常人末梢血単核球(PBMC)を用いてT-ISAAC法の最適化を行う。
【2】in vitro刺激でのペプチド濃度の最適化: 通常、がん抗原特異的T細胞は非常に低頻度であるため、未刺激の状態ではペプチド刺激のみでは検出することはできない。このためペプチドでin vitro刺激を行い、ペプチド特異的T細胞を増殖させる必要がある。これまでペプチド濃度は10 μg/mlを用いてきたが、刺激ペプチド濃度が高いと高親和性のT細胞はActivation-induced Cell death(AICD)により細胞死が誘導される可能性が指摘されている。高親和性のTCRを増殖させる至適ペプチド濃度は、TCRそれ自体の親和性に影響される可能性が考えられる。そこで、モデル抗原としてEBウイルス抗原に反応する健常人PBMCを種々のペプチド濃度で刺激し、TCR遺伝子のクローニングを行い、誘導効率および取得したTCRの親和性を評価する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] A cloning and expression system to probe T-cell receptor specificity and assess functional avidity to neoantigens2018
Author(s)
Hu Z, Anandappa AJ, Sun J, Kim J, Leet DE, Bozym DJ, Chen C, Williams L, Shukla SA, Zhang W, Tabbaa D, Steelman S, Olive O, Livak KJ, Kishi H, Muraguchi A, Guleria I, Stevens J, Lane WJ, Burkhardt UE, Fritsch EF, Neuberg D, Ott PA, Keskin DB, Hacohen N, Wu CJ
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Journal Title
Blood
Volume: 132
Pages: 1911~1921
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Clonally expanded populations of cytotoxic T cell in tumor infiltrated lymphocyte and peripheral blood in uterine endometrial cancer.2018
Author(s)
Tsuda K, Kishi H, Nakashima A, Hamana H, Tsuda S, Shima T, Shitaoka K, Kobayashi E, Ozawa T, Muraguchi A, Saito S.
Organizer
第47回日本免疫学会学術集会
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