2018 Fiscal Year Annual Research Report
Does water channel protein aquaporin play key roles in water reabsorption from the bladder?
Project/Area Number |
17H04326
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
横山 修 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90242552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 秀明 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00345620)
小林 基弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (00362137)
青木 芳隆 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (30273006)
山内 寛喜 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (40464086)
松田 陽介 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (90345687)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 夜間頻尿 / 多尿 / 膀胱吸収 / アクアポリン分子 / 抗コリン薬 / 睡眠薬 / 腎 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれはこれまで抗コリン薬の種類によっては夜間尿量を減少させること(Urology 2013 82:515)やラット利尿モデルに対し抗コリン薬を静脈内投与すると明らかに尿量を減少させることも報告した(BJU Int. 2013 112: 131)。その機序として抗コリン薬が腎におけるvasopressin効果を増強させるとの報告(Eur J Pharmacol 2016, 791:72)があるが、膀胱C線維を脱感作すると抗利尿効果が発揮されない現象は説明できない。そこで膀胱において尿の再吸収があり、抗コリン薬によりその作用が増強されているとの仮設を立て実験を行った。膀胱自体から尿が再吸収される可能性が示唆される結果が得られたが、その吸収は膀胱内圧や注入量に依存しており、高々注入量の10%程度であった。これではアクアポリン分子を介しているのか拡散によって壁を浸透しているだけなのか不明であり、また抗コリン薬や各種薬剤を用いてもこの吸収率は一定であった。したがって膀胱上皮を介するメカニズムは存在するが、抗コリン薬による尿吸収の促進は否定的で、むしろ腎での再吸収を促進している可能性が示唆された。腎再吸収における知覚C線維の関わりについてはこれまで全く解明されていないが、その可能性が示唆される結果と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6-8週齢SD雌ラットを使用した。ウレタン麻酔下に両側尿管を結紮し経尿道的にカテーテルを留置し、膀胱内圧が30cmH2Oに達するまで0.3%生食、0.9%生食、5%ブドウ糖液、10%ブドウ糖液を注入した。抗コリン薬(vehicle、imidafenacin、atropine、tolterodine)を経静脈的に投与し、膀胱内溶液を回収した。またレジニフェラトキシンによりC線維を脱感作した膀胱でも同様の実験を行った。さらに膀胱を摘出し、vitroでも同様の実験を行った。膀胱に注入した生食は圧依存性に膀胱からの吸収が生じ、吸収速度は時間に依存せず初期の圧が高いほど大きかった。 レジニフェラトキシンにてTRPV1刺激を行い、膀胱内での水の移動を解析したが膀胱からの水吸収に差はみられなかった。また、ラット膀胱を頸部をつけたまま摘出し、頸部が上方に向かうようにマグヌス管に懸垂し、膀胱頸部からガラス細管を挿入し一定圧で各種浸透圧溶液を注入して再吸収される量を定量するex VIVOでの実験を行ったが、水吸収はごく少量であった。したがって薬剤投与による尿量減少は膀胱からの尿吸収ではなく腎のアクアポリン分子を介している可能性が示唆された。そこでラットに対し経静脈的に水負荷を行い利尿状態にし、尿管から直接尿量を測定する実験系を構築して新たな実験を開始した。これまでに得られた結果では、抗コリン薬投与、あるいは非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の投与により抗利尿効果が発揮されていた。また、resiniferatoxin前投与にて抗コリン薬の効果の抑制がみられたが、睡眠薬では抑制できなかった。今後、腎髄質と皮質に分けてアクアポリン分子の発現を評価し、水負荷あるいは抗コリン薬、睡眠薬による抗利尿効果のメカニズムを解明していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年においては腎アクアポリン分子に注目し、尿再吸収のメカニズムについて検討する予定である。具体的には、両側尿管にカニュレーションを行い、膀胱からの尿吸収の影響を除外する方法を採用する。これまでの実験で抗コリン薬は明らかに腎尿産生を抑制しており、高用量であるほど抗利尿効果は強かった。また抗コリン薬投与後利尿期が現れる結果も得られた。今後は、腎髄質と皮質に分けてアクアポリン分子の発現を評価し、水負荷あるいは抗コリン薬、睡眠薬による抗利尿効果を評価する。非ベンゾジアゼピン系を含めベンゾジアゼピン系の睡眠薬はGABAA受容体のBZDs部位に結合するが、GABAA受容体のαサブユニットには1~6の種類があり、薬剤により作用強度が異なる。例えばエスゾピクロンはα2と3に対する作用が強い。腎にもα3が多いので、睡眠薬は腎GABAAとおそらくはアクアポリン分子を介して尿量を調節していると推察される。今後腎のアクアポリン分子に注目し、各種薬剤の作用メカニズムを検証したい。
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[Journal Article] Efficacy of novel β3 -adrenoreceptor agonist vibegron on nocturia in patients with overactive bladder: A post-hoc analysis of a randomized, double-blind, placebo-controlled phase 3 study.2019
Author(s)
Yoshida M, Takeda M, Gotoh M, Yokoyama O, Kakizaki H, Takahashi S, Masumori N, Nagai S, Hashimoto K, Minemura K
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Journal Title
Int J Urol
Volume: 26
Pages: 369-375
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Long-term safety and efficacy of antimuscarinic add-on therapy in patients with overactive bladder who had a suboptimal response to mirabegron monotherapy: A multicenter, randomized study in Japan (MILAI II study).2019
Author(s)
Yamaguchi O, Kakizaki H, Homma Y, Igawa Y, Takeda M, Nishizawa O, Gotoh M, Yoshida M, Yokoyama O, Seki N, Okitsu A, Hamada T, Kobayashi A, Kuroishi K.
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Journal Title
Int J Urol
Volume: 26
Pages: 342-352
DOI
Peer Reviewed
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