2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study for the establishment of preventive measures to sensorineural healing loss with congenital cytomegalovirus infection
Project/Area Number |
17H04346
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敬広 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00708745)
宮崎 希 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40725876)
石岡 賢 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50305356)
小川 洋 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70264554)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サイトメガロウイルス / 水痘-帯状疱疹ウイルス / 弱毒化 |
Outline of Annual Research Achievements |
水痘ワクチンは弱毒化生ワクチンで、非常に安全性が高く、効果も高いワクチンであるが、その弱毒化機構はまだ充分には明らかにされていない。サトメガロウイルス(CMV)ワクチンを開発するにあたって、同じヘルペスウイルス科の水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)の弱毒化機構を調べ、CMVワクチン開発に応用することを試みた。 VZVワクチンは、2つの遺伝子IE62とORF0の数か所に突然変異が入った数株が混じったワクチンである。これらの株をクローニングして調べると、全ての株に共通した突然変異はORF0遺伝子に存在する。この遺伝子はα-とβ-ヘルペスウイルス亜科に保存された遺伝子で、PPxY(PYモチーフ)を持っていることが分かった。PYモチーフは宿主ユビキチンリガーゼNedd4ファミリーに相互作用するモチーフで、実際にVZVのORF0やその相同遺伝子であるCMVのUL42がNedd4ファミリーの一つであるItchと相互作用し、Itchの発現を低下させていることが観察された。Itchの発現が減少したT細胞では、細胞表面のCD3εの発現量が減っていたことから、このウイルス因子は感染細胞が免疫から回避することに関与していること、そしてこの因子を欠損したウイルスは宿主の免疫から回避する能力が低下し、弱毒化することが予想された。今後、CMVのUL42遺伝子をノックアウトし、弱毒化を証明したい。 CMVに対する抗ウイルス薬をスクリーニングするための簡便な方法を開発し、およそ2000の候補薬のライブラリーをスクリーニングした。現在、4つの候補薬を発見しており、その候補薬をさらに調べるとともに、スクリーニングを継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要のとおり、弱毒化の機構の解明、薬剤のスクリーニングはおおよそ予定通り進んでいる。また、マウスの先天性CMV感染モデルを使った研究も予備的な研究は終了し、来年度中に結果を出せる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.サイトメガロウイルスのUL42をノックダウンした株を作成し、弱毒化するか否かを明らかにする。 2.さらに2000程の候補薬のライブラリーをスクリーニングする。 3.マウスの先天性サイトメガロウイルス感染モデルを使って、聴覚障害を予防する方法を明らかにする。
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