2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study for the establishment of preventive measures to sensorineural healing loss with congenital cytomegalovirus infection
Project/Area Number |
17H04346
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敬広 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00708745)
宮崎 希 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40725876)
石岡 賢 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50305356)
小川 洋 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70264554)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サイトメガロウイルス / 先天性サイトメガロウイルス感染 / 聴覚障害 / 病態生理 / 外有毛細胞 / 鼓室内投与 / ステロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
生直後にマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を脳内接種する先天性CMV感染聴覚障害モデルを用い、聴覚障害の病態生理を検討した。聴覚障害は生後(ウイルス接種後)3週頃から進行性に発症するが、内耳でのウイルス増殖は2週以降は認められず、ウイルス抗原やDNA、細胞浸潤がない中で外有毛細胞のミオシンⅥの消失に伴って起こっていた。外有毛細胞周辺の細胞中には多数のインフラマソームが認められることから、CMVが炎症を惹起し、この炎症の遷延が有毛細胞の障害を引き起こすものと考えられた。これは、我々が人工内耳によって先天性CMV感染による聴覚障害が治療可能であることを観察してきた結果とも合致するものである。 次に、炎症を抑制するステロイドの投与が聴覚障害の進行を予防できるか否かを調べた。3,5,7週にステロイドを腹腔内投与した群では、免疫抑制が原因と考えられるが、全てのマウスがMCMV感染によって死亡した。局所での治療効果を確かめるため、同量のステロイドを鼓室内投与したところ、一部のマウス(20%程度)ではあるが、聴覚障害進行の抑制、さらには聴覚の改善が認められた。また、聴覚が改善したマウスでは外有毛細胞のミオシンⅥが保たれていた。この結果は上記の病態生理を説明する結果であると同時に、今後、ヒトの先天性CMV感染による聴覚障害の治療法の開発に繋がるものである。 CMV感染に有効な新たな抗ウイルス薬を開発するため、およそ5000の薬剤ライブラリーをスクリーニングし、5剤の候補薬を発見した。これらの薬剤の有効性や作用機序は今後明らかにする予定である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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