2018 Fiscal Year Annual Research Report
ハイスループット化疾患iPS病態解析による睡眠時ブラキシズムの発症メカニズム解明
Project/Area Number |
17H04395
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
馬場 一美 昭和大学, 歯学部, 教授 (80251536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 和土 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60338184)
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
戸澤 有理恵 昭和大学, 歯学部, 助教 (70783356)
安部 友佳 昭和大学, 歯学部, 講師 (80614156)
松本 貴志 昭和大学, 歯学部, 助教 (00635039)
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 助教 (40710166)
菅沼 岳史 昭和大学, 歯学部, 教授 (10196694)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / iPS細胞 / セロトニン2A受容体 / ハイスループット |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまで睡眠時ブラキシズム(SB)とセロトニン2A(5-HT2A)受容体遺伝子の一塩基多型(SNP)との関連を報告し,細胞レベルでのSB発症メカニズム解明を目標として,患者およびコントロール各3名より樹立したiPS細胞より5-HT2A受容体遺伝子を発現する神経細胞の誘導法を確立した.本研究ではSNPによる機能的差異の解明を目的に,iPS 細胞樹立と神経分化誘導,表現型解析を96-wellのプレート上で高効率に可能とするハイスループットなシステムを用い,患者・コントロール各100検体を対象に表現型の異常を解析・データベース化し,臨床データを参照して分類し,さらにそのデータベースを用いて SB 表現型の回復を指標とした化合物スクリーニングを行なって新規薬剤の臨床応用を目指すものである. 平成30年度は,睡眠ポリグラフ(PSG)検査による確定診断とSNPの遺伝子型解析により決定された睡眠時ブラキシズム患者およびコントロールのiPS細胞から神経細胞に誘導を行なった.Shhにて背腹軸, CHIR99021にて前後軸を調整し,三叉神経関連領域である後脳腹側領域へと誘導領域を調整した.分化過程における遺伝子発現をqRT-PCRにて確認し,誘導された神経細胞に対し,抗5-HT2A受容体抗体を用いた免疫染色による確認を行った.ホールセルパッチクランプ法を用いて, これらの神経細胞の電気刺激への応答(電位記録モード),TCB-2(5-HT2A受容体選択的アゴニスト)投与時の応答(電流記録モード)を観察した.目的とする神経細胞(培養38日目)の測定を行なった結果,脱分極性パルスに対する連続発火が認められ,また,TCB-2(80μM)を投与したところ, 内向き電流の発生が認められた.さらに,ハイスループットな解析に向けて,被験者の募集を開始できるよう,環境を整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活動電位の発生を確認できており,現在,検体数を増やして解析を試みており,その結果により生理学的パラメータを決定するところまで進んでいる.また,ハイスループットなシステムを用いた解析に向けて,被験者の募集を開始している.
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Strategy for Future Research Activity |
被験者を募集し,睡眠時ブラキシズムの確定診断を行なっていく予定である. また,神経細胞の応答の解析を継続して行い,その電気生理学的パラメーターの検出を試み,ハイスループットな解析に着手する予定である.
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Research Products
(8 results)