2018 Fiscal Year Annual Research Report
日々の患者状態データを用いた診療・ケアの質評価と看護業務マネジメント手法の開発
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17H04437
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
林田 賢史 産業医科大学, 大学病院, 医療情報部長 (80363050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 智弥 岩手医科大学, 看護学部, 特任教授 (40310487)
松田 晋哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (50181730)
石川 ベンジャミン光一 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (50280780)
森脇 睦子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, プロジェクト講師 (40437570)
村上 玄樹 産業医科大学, 大学病院, 講師 (50549756)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重症度、医療・看護必要度 / DPCデータ / 医療の質 / 患者像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)データをはじめとしたDPCデータを多施設から収集し、「①日々の患者状態の可視化を通じて患者像を解明し診療・ケアの質を評価すること」および「②新たな看護業務マネジメント手法を開発すること」を目的とした研究である。 研究2年目にあたる当該年度は、2016年10月から2017年3月までの間に一般病棟(看護配置7:1もしくは10:1)に入院した患者(明らかに15歳未満の症例は除外)を対象に、以下の分析を実施した。なお退院日のデータは分析対象から除外した。 1)入院患者全体を対象とした①A、B、C項目に関するそれぞれの詳細項目の状況、②看護必要度の基準を満たす患者割合(入院相対日別の推移、曜日別・暦日の状況)に関する分析 2)自宅等への生存退院患者を対象とした退院前数日間の看護必要度の状況(推移)に関する分析 その結果、以下のようなことが明らかとなった。入院患者全体を対象とした分析において、A項目については、「心電図モニターの管理」が最も高い実施状況(20%強)であり、ついで「呼吸ケア」、「創傷処置」の割合が高かった。一方、「専門的な治療・処置」はすべて10%未満と低い実施状況であり、特に「抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)」、「昇圧剤の使用(注射剤のみ)」、「無菌治療室での治療」の実施状況は1%未満と低かった。B項目については、「衣服の着脱」、「寝返り」、「移乗」、「口腔清潔」、「食事摂取」について、それぞれ少なくとも3割を超える患者が介助を必要としている状況であった。看護必要度の基準を満たす患者割合(入院相対日別)については、入院初期に高く(入院2日目が最も高く)、その後徐々に低くなり、また高くなるように推移していた。看護必要度の基準を満たす患者割合(曜日別)については、平日が高く(金曜日が最も高く)、休日は低い傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、構築した大規模データベースを用いて入院患者像の把握が進むとともに、研究成果の一部に関して医療・看護の質評価やマネジメント領域の雑誌での論文発表、および関連する国内・国際学会での学会報告を実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度に引き続き、以下を実施する予定である。 ①最新のデータを病院から収集し、解析用データベースのデータを更新する。 ②再構築した解析用の大規模データベースを用いて、「患者像の解明および診療・ケアの質評価」、ならびに「看護業務マネジメント手法の開発」を実施する。 ③医療・看護の質評価やマネジメント領域の雑誌での論文発表、および関連する国内・国際学会での学会報告を実施する。
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Research Products
(19 results)