2019 Fiscal Year Annual Research Report
学校が避難所機能と教育を両立するための災害リスク管理に関する研究
Project/Area Number |
17H04467
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川崎 裕美 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90280180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梯 正之 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (80177344)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 避難所運営 / 学校教員 / 学校地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校再開を目指しながら避難所運営を行うための方策を検討し、実践・訓練のための教員研修プログラムを開発することを目的とする。 2019年度は、汎用性を検討するため、別の地域の調査協力を検討・実施した。まず佐賀県の保護者を対象に実施した調査の整理、分析を始めた。また、附属学校において教育実習生および教員を対象とした研修プログラムを試行した。特別支援学校が福祉避難所になることも考慮し、特別支援学校の状況調査の準備を行った。学校に避難した際に避難者が教員を支援するための基盤として、知識の普及方法も検討した。看護教育基礎課程での健康管理において、「学校体育館への避難」を授業教材として使用し、効果検証を行った。 佐賀県での調査のデータベース作成、分析によって、生活習慣や文化に加えて、居住地の地理的要因も災害、避難の認識に影響を与えていることが推察された。 教育実習生(約150人)を対象とした研修プログラムの実施では、教科教育、学級経営の実習が主たる実習内容ではあるが、災害に関する研修を90分-100分確保することができた。研修内容を再検討し、90分に集約した。これまでに明らかになった、教員が災害時から災害後に学校で果たした役割を中心に講義し、学生自身が果たすべき役割を考察した。学生は、自分たちは住民として学校に避難するが、学校に避難した住民への対応を教員が行った現実を想定してはいなかった。研修は災害に対する知識を増加させ、教員となった後の活動に有益といえる。現職の教員54名を対象とした研修は、住民へのリスクマネジメントと住民の協力を得るためのロールプレー等を行い、より実践的なプログラムとして実施した。教員は保護者以外の成人に対する説明の難しさを認知した。看護学生を対象とした授業教材の使用では、知識内容によって看護学生の特性と考えられる違いが認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラムの試行のための日程調整が学校行事のために時間を要した。また、年度の後半は、COVID-19による感染拡大防止のため、解析作業に支障が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度の調査結果、研修会後の調査を引き続き詳細に分析する。それをもとに、研修プログラムの課題を明らかにし、論文作成、投稿を行う。
|
Research Products
(4 results)