2018 Fiscal Year Annual Research Report
アジア災害地域のコミュニティ参加型減災社会制度基盤の比較研究
Project/Area Number |
17H04507
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金子 由芳 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (10291981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 栄一 関西大学, 社会安全学部, 教授 (00352360)
北後 明彦 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (30304124)
飯 考行 専修大学, 法学部, 教授 (40367016)
近藤 民代 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50416400)
松岡 勝実 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (80254803)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 減災 / アジア災害法 / コミュニティ防災 / 事前復興計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国連仙台減災枠組みの5年評価、東日本大震災の復興10年総括評価に当たる2020年度に照準を当てつつ、4年計画で海外学術調査を実施し、これを通じて日本とアジア一帯の災害危険地域における地域コミュニティの叡智を活かした減災型社会の制度枠組みを探究し、また今後の制度的改善の方向性を提言する実践的な研究である。方法として、法制度の構造的問題の把握に依拠しつつ、被災地における行政・住民コミュニティに対する聴取り・質問票による制度動態の実証的把握を組み合わせ、応用的な比較法社会制度論的アプローチを意図する。アジア諸国における現地調査に際しては現地機関との連携による文理混成チーム(法・経済・防災工学)で臨み、災害復興に影響を与える科学的安全基準・法規・予算・行政ガバナンス等の多角的視野を総合化する問題把握を通じて、制度的課題点の診断を行いつつ、地域コミュニティの叡智から学ぶ。 2018年度前半は、7月に岩手大学との連携で東日本被災地における地域防災について現地調査を続行し、また盛岡市における国際防災シンポジウムで特別セッションを企画実施した。7~9月にインドネシア・アチェのシャクアラ大学津波防災研究センターとの研究交流を実施した。 年度中盤は、8月にミャンマーにて、2008年サイクロン・ナルギス復興や2015年洪水復興につき、内務省・社会福祉災害救助省他の関係者との連携により、末端行政であるタウンシップや村落レベルに下り入って調査を実施した。 年度後半には、3月にベトナムの洪水被災地にて現地行政・大学研究者とのワークショップや住民聴き取り調査を行なった。また神戸にて中国四川省の研究協力者とともにワークショップを実施し、2008年四川大地震後の近年のコミュニティ防災の展開について研究交流を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本とアジア諸国のコミュニティ防災の比較検討を基軸とする本研究にとって、一つの軸足である東日本被災地における調査は、岩手大学地域防災研究センターとの連携により順調に続行している。他の軸足であるアジア諸国での現地調査については、ミャンマーでの現地調査は予定通り実行し、四川省での現地調査は実施せず研究協力者を招聘してワークショップを実施することに変え、またベトナム洪水被災地での調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
4年間の研究計画の中盤にさしかかっているため、2019年度には、従来までの調査で得られた各国の制度面やコミュニティ防災の実情についての知見を活かしつつ、東日本被災地およびアジア対象諸国にて現地研究協力者との協力により質問紙調査を含む本調査を実施し、最終年度である2020年度にかけて分析を深める予定である。
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