2018 Fiscal Year Annual Research Report
Politics of Accountability in Southeast Asia
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17H04510
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
見市 建 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (10457749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀 司 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携講師 (00608185)
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
木場 紗綾 公立小松大学, 国際文化交流学部, 准教授 (20599344)
外山 文子 (坂野) 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携講師 (50748118)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
瀬戸 裕之 新潟国際情報大学, 国際学部, 准教授 (90511220)
茅根 由佳 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携研究員 (70772804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東南アジア / アカウンタビリティ / 民主化 / ポピュリズム / 権威主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア政治はその民主主義の方向性を占う重要な局面にある。マレーシアでは2018年の総選挙で初めての政権交代が実現し、2019年には、インドネシア、フィリピン、タイで国政選挙の予定がある。しかし選挙を通じた民主化に行き着いたマレーシアを唯一の例外として、各国の選挙はむしろ政治的分極化と自由の制限を進展させる契機になっている。またフィリピン南部ミンダナオでは近年自治権に関する大きな政治的進展があった一方で、2017年には武装勢力がマラウィ市を占拠して数ヶ月戦闘が続く事件があった。ミャンマーでは、長年の権威主義体制を打倒したスーチー政権のもとで、少数派の抑圧と報道の自由の制限が行われている。 フィリピンのドゥテルテ政権による「麻薬との戦争」という典型的なポピュリストのレトリックは、インドネシアでも使用されている。また政治指導者よりもその「サポーター」たちがポピュリズムを支え、増幅させる共通の構図がみられる。とくにソーシャルメディア上で世論の喚起やコントロールが試みられる事例が各国でみられる。 こうした状況は、選挙はもちろん、(ソーシャル)メディアや市民社会による垂直的なアカウンタビリティ、国家機関間の水平的なアカウンタビリティの機能を観察、分析するための重要な機会となっている。 それぞれの研究分担者は、東南アジア各国の重要な政治的イベントについての現地調査を進めながら、アカウンタビリティ改革とポピュリスト政治家台頭がもたらす民主主義へのインパクトについて、調査・分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部現地の政治状況に鑑みて現地調査を延期させたケースがあったものの、最終年度にむけておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に共同研究の成果として単行本を出版の予定であり、共通の枠組みについて検討を重ねているところである。
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