2019 Fiscal Year Annual Research Report
Politics of Accountability in Southeast Asia
Project/Area Number |
17H04510
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
見市 建 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (10457749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀 司 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携講師 (00608185)
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
木場 紗綾 公立小松大学, 国際文化交流学部, 准教授 (20599344)
外山 文子 (坂野) 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (50748118)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
瀬戸 裕之 新潟国際情報大学, 国際学部, 准教授 (90511220)
茅根 由佳 筑波大学, 人文社会系, 助教 (70772804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東南アジア / アカウンタビリティ / 民主化 / ポピュリズム / 権威主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア各国のアカウンタビリティ改革とポピュリスト政治家台頭がもたらす民主主義へのインパクトについて、それぞれの研究分担者が分析を試み、国内外のジャーナルに研究成果を発表した。その上で、とりわけソーシャルメディアがもたらす民主主義への影響という側面から、『ソーシャルメディア時代の東南アジア政治』(明石書店、2020年3月刊)を取りまとめた。同書の概要および分析結果は以下のとおりである。 東南アジア地域には比較的自由な民主主義から一党独裁や軍政の権威主義体制まで、幅広い類型の政治体制が存在しており、各国の民主化の度合いはさまざまである。しかし共通して、多くの国で人々によるソーシャルメディアの利用が選挙をはじめとする政治的競争のあり方を大きく変えている。本報告書では、自由の度合いに差はあれ、選挙が行われ、オープンな政治的競争が存在する5カ国(インドネシア、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、タイ)を対象に、ソーシャルメディアと民主主義の関係について分析した。 ソーシャルメディアは社会的なアカウンタビリティメカニズムとして、権威主義体制を含め、政治参加の裾野を広げ、民主化勢力をエンパワーするために不可欠なツールとなっている。他方で、比較的民主化が進行し、自由な競争が確保されている国では、多様なアクターがソーシャルメディアを容易に「悪用」する。とくに、権力エリートは、選挙や国民の批判に晒されやすいような政策形成、施行の局面において、自らの「民主的」正統性を演出することを目的とした情報操作を行なっている。その典型がポピュリスト政治家の台頭である。 東南アジアにおいてソーシャルメディアを先行して活用したのはおおむね非権力アクター(市民社会)であったが、次第に権力エリートや多様な社会勢力が活用(悪用)手段を洗練させつつある。その結果、民主主義への負の効果がより目立っているのが現状といえる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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